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アナログな筆記具でなければならない理由 /Antique Cast Iron Pen Stand

 英国アンティーク、キャストアイアンのペンスタンド。













ヴィクトリア時代、そしてその後のエドワーディアンの初めころまでは、このようなペンスタンドが多く作られた時代でありました。

万年筆が製品化されたのは大体19世紀後半、一般に普及しだしたのは20世紀初めですので、その時代はまだまだつけペンの時代。様々なペン先のペンを傷つけずに並べておくことは、大切なことだったのです。

そしてそれが美しくディスプレイされている、ということは、こだわりをもつ紳士にとっては必要不可欠だったことでしょう。ペン用のスタンドも、様々なデザインに凝ったり、素材がシルバーだったり、インク壺がセットされたりしたものを見ることが出来ます。



今回ご紹介するのはキャストアイアンでできたペンスタンド。


実は当店は以前にこのペンスタンドととても似たものをご紹介したことがございます。それは底面に「RDNO44197」というレジストレーション番号が記されており、1886年に登録された番号をもっていました。


今回のお品物にも番号はついていますが、「No1727」となっており、RDがついていませんし、桁数も異なりますので、レジストレーション番号ではなく、シンプルにメーカーの製造番号かデザイン番号かと推測されます。また、サイズも前の物は幅約13.7cm、今回の物は幅約10.8cmと、3割ほど小さくなっており、それに伴い仕様やデザインもわずかに異なります。

おそらくはレジストレーション番号「RDNO44197」のものがとても人気だったので、後にリプロダクションとして小型化して製造されたのではないでしょうか。少し分野が違いますが、名窯ロイヤルドルトンでも、40年ほどの期間をおいて、大きな陶器フィギュアをミニチュア版として復刻販売していますので、そのようなこともあるのかな、と思います。

今回のお品物はキャストアイアンの古びた印象から、1886年から30-40年後の1910-1920年代ころのものではないかと推測いたします。



さて、ペンスタンドの意匠をよく見てみましょう。


台座の周囲には中心に花、そしてそこから延びるパルメットのような葉のモチーフ、そして端部にはまたフラワーモチーフ。立ち上がりのアームにはここにも花モチーフが施されており、流れるようなデザインは上部のペン受けと絶妙にリンクしています。台座中心部分にも大きめのフラワーモチーフと葉があしらわれており、透けたデザインによって軽やかさを演出しています。


最上部には大きめのものが、その他の部分には5か所の受けがあり、美しく筆記具を収納、ディスプレイすることができます。

写真では現代日本で使われている一般的な筆記具を置いてみました。太いものは入らない場合もございます。ご参考になさってください。アイアンでできた本体はずっしりと重く、安定感は抜群。


いまや仕事にPCは欠かせませんが、まだまだアナログな筆記具を使って行いたい、いえ、行わなければならない仕事も多いはず。


細く削り上げた鉛筆。

絶妙に手の力を反映するつけペン。

実は使い勝手の広い面相筆。

並べて嬉しい色鉛筆、などなど・・・。


アナログな筆記具には、それでなくてはならない理由が仕事の数だけあるような気がいたします。古く、気品あふれるペンスタンドで、是非貴方のお仕事のお力添えをさせてください。




◆England

◆推定製造年代:c.1910-1920年代頃

◆素材:鉄

◆サイズ:幅約10.8cm 奥行き約9.6cm 高さ約9.7cm

◆重量:414g

◆在庫数:1点のみ



【NOTE】

*古いお品物ですので、一部に小傷や汚れ、錆びや変色がみられます。詳細は画像にてご確認ください。

*平滑面でカタツキなく安定します。

*画像の備品は付属しません。

*上記ご了承の上、お求めください。






アイテムのご購入はショップにてどうぞ。

こちらのバナーからご来店いただけます。



Todd Lowrey Antiques

by d+A