英国アンティーク、リンゴの形をした極小コンパス。
英国の大きなアンティークフェア。
体育館のような広い屋内空間の片隅、品の良い壮年のカップルから買い付けた小さな逸品のご紹介です。
様々な古いものが並ぶなか、とりわけ大切そうに並べられたガラスケースの中は、素晴らしい品々であふれていました。その片隅で見つけたのが、小さな小さな真鍮のリンゴ。
ケースの中から取り出してもらうと、奥様はとても嬉しそうに「アップル!そうこれはコンパスがついているの」と見せてくれました。「全体は真鍮。葉っぱはエナメル。ヴィクトリアンのフォブよ。とても珍しい。」
ヴィクトリア時代は紳士であれば懐中時計をウエストコートに忍ばせておくのは必須。そこから見えるチェーン、そしてポイントの飾りであるフォブは、贅沢な遊びが楽しめる絶好のアクセサリーでありました。紋章をかたどったシールドやシール(印章)用のものが人気だったようです。また一方で、小さなコンパス(方位磁針)は実用性も含めて重宝されました。太陽が出ていない曇天に方角を知ることは、紳士にとって必要なことがあったのは想像に難くありません。
当店はスターリングシルバーのフォブコンパスを何度かご紹介してまいりましたが、それらとはまた異なる、素朴な可愛らしさにとても惹かれて、手に入れてしまいました。
コンパス面は約1cmと、とてもとても小さいものです。それでもよく見れば「N S E W」と方角が書かれ、中心に配されたクロスと赤い丸はなんだかお花のようにも見え、小さく震える磁針は頑張って北を指しております。
さて、一般的に知恵の実はリンゴがイメージされますが、実は旧約聖書にリンゴと限定した記述はなく、後の解釈によって生まれたようです。
様々な説があり、イチジクやぶどうとする説もあるとか。それでも、楽園にあったであろう禁断の知恵の実は、きっと艶やかな赤い色で目を惹き、イブを魅了したのだろうなと思わずにはいられません。
かつてこれを愛用していた紳士も、そんなことを思いながら小さなコンパスを覗きこんでいたのではないでしょうか。
懐中時計のフォブとしても、ペンダントチャームとしてもご利用いただける小さな小さなリンゴ。おそばにおいて、禁断の実に仕込まれた磁針を追いかけてみるのはいかがでしょうか。
◆England
◆推定製造年代:c.1880-1900年代頃
◆素材:真鍮、エナメル、ガラス、紙
◆サイズ:リンゴ直径約1.7cm コンパス部分直径約0.9-1cm
◆重量:4g
◆在庫数:1点のみ
【NOTE】
*古いお品物ですので、一部に小傷や汚れ、変色等がみられます。
*コンパスは現時点でほぼ正常に動作します。
*コンパスは周囲の機器により狂うことがございます。狂ってしまった場合は強めの磁石で直せますのでお試しください。
*詳細は画像にてご確認ください。
*画像の備品は付属しません。
*上記ご了承の上、お求めください。
アイテムのご購入はショップにてどうぞ。
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Todd Lowrey Antiques
by d+A