英国アンティーク、マジックランタン(幻灯機)のレンズパーツ。
Magic Lantern「マジックランタン」、ご存知でしょうか?
日本語では幻灯機。
デジタル全盛の現代では、35㎜スライド映写機でさえレトロな趣きやノスタルジックな感情を抱かされますが、ロウソクやランプを光源にガラスに描かれた図像を、レンズを通してスクリーンに投影するという仕掛けのマジックランタンは、現代のプロジェクターやスライド映写機の原型と言えます。
マジックランタンの起源は諸説ありますが、西洋では17世紀にイエズス会のアタナシウス・キルヒャーが 文献に記したのが最初といわれています。
英国では19世紀ヴィクトリア時代に、マジックランタンの巡回上映が盛んとなり、たいそうな人気を博しました。様々な工夫をこらしたガラスのスライドを駆使し、ドラマティックに演出された上映に、子供はもちろん大人も夢中になったといわれています。皆が集まる教会においても、マジックランタンで賛美歌の歌詞を映し出したり、お説教に応じてスライドを投影したりしていたようです。
その後は映画の発展によりマジックランタンは時代に取り残され、一部のコレクター達のみが愉しむアイテムへと変わってゆきました。
今回ご紹介するアイテムは、そのマジックランタンのレンズパーツ。
時代を感じる真鍮のボディ、片面はすっぱりと平滑で、もう片面はわずかに凸面となっています。平滑面を下にしておけば、わずかな凸面はまるで表面張力で丸くなった水面のようで、思わず覗き込まずにはいられない不思議な魔力に満ちています。
恐らく平滑面が機械の内側で光を取り込み、凸面が外に向けてのパーツだったと思われます。これだけで完結するものではないので、内部には光を集める集光レンズパーツや、大きく拡大するためのレンズパーツなどが外付けされていたのかもしれません。
推定製造年代は20世紀初頭、エドワーディアンの頃と推測されます。1920年代にはいるとトーキー映画が作り始められますので、1910年代はマジックランタンが実用として楽しまれていた最後の世代といえるでしょう。
拡大鏡として、そのまま直接置いてご利用いただけますが、なによりも真鍮のボディの存在感が圧巻。1kg近い重量感はペーパーウェイトとして十分な役割を果たし、簡易的なブックエンドとしてもお使いいただけます。
そしてなによりも不思議な映りこみが放つ独特の雰囲気こそが最大の魅力。
飽きることなく眺めることが出来てしまう、危ういまでの存在感は唯一無二といえるでしょう。
遠くエドワーディアンの英国からの幻灯が、ひそやかに見えてきそうな、英国アンティークの逸品。是非お手元でご鑑賞ください。
◆England
◆推定製造年代:c.1900-1910年代頃
◆素材:ガラス・真鍮
◆サイズ:直径約10.9cm 高さ約10.1cm
◆重量:935g
◆在庫数:1点のみ
【NOTE】
*古いお品物ですので、一部に微細な傷や汚れがみられますが、ガラス部分に目立つ傷はございません。金属部は経年による変色等がみられます。
*詳細は画像にてご確認ください。
*画像の備品は付属しません。
*上記ご了承の上、お求めください。
アイテムのご購入はショップにてどうぞ。
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Todd Lowrey Antiques
by d+A