Search This Blog

Friday

イングランドを記述する / Antique Print from "A Deſcription of England"

 英国アンティーク、古書の頁。




















英国の町で時々見かける「マーケットプレイス」。そこはあらかじめ屋根が連なって作りつけられており、日替わりでいろいろな出店者が出ている場所です。(たまにしっかり作りこんだお店もまぎれています)


ロンドンから北にしばらく行った町にあるマーケットプレイスは、金曜日がアンティークマーケットの日。それほど多くないながらも興味深い品ぞろえをみることができる場所です。


そこで手に入れた古い紙物をご紹介いたします。



古いトランクにざっと入れられた本の頁。見るからに古く、でも文字面はとても美しく目を惹きました。状態のよさそうなものを選んで、手に入れてまいりました。


まずタイトルは「A DESCRIPTION OF ENGLAND」。


「DESCRIPTION」は「説明」や「描写」「記述」などの意味ですので、強いて訳せば「イングランドの説明(記述)」。あまりにも一般的な言葉で、もとの本を特定することはできませんでした。


似たタイトルで「William Harrison(1534-1593)」による「The Description of England」があるのですが、それとはどうやら異なるようです。


参考:The Project Gutenberg eBook of Elizabethan England

https://www.gutenberg.org/cache/epub/32593/pg32593-images.html


ご紹介している39頁の下のほうに1750年3月29日の日付があるので、それ以降のものであることは間違いないでしょう。



手法はおそらく「鋼鈑画/Steel engraving」もしくは「銅版画/copperplate engraving」かと思われます。紙自体が版に対し大きめで、わずかに本文のあたりが立体的になっているので、版に押し付けて印刷していた様子がわかります。


そして面白いのが、タイトルに使われている文字。大文字では「DESCRIPTION」なのですが、小文字が混じると「Deſcription」となります。


ſ は、ラテン文字のひとつであり、アルファベットの19番目の文字 S の小文字の別の形。19世紀以降一般的になった字形 (s) との区別のために、"ſ" は長いs、語中のsなどと呼ばれます。18世紀後半から19世紀前半頃に使用されなくなり、「短いs」に統一されましたが、数学の積分記号などにその名残を確認することができるようです。


このことから、この本はおそらく18世紀後半から19世紀前半頃までのものかと推測いたします。



まるで筆記体のお手本のような美しい字体。

目を惹く天使や紋章のイラスト。

リアルな紙が持つ質感。


どれもが一体となって古い紙や書物が持つ独特の雰囲気を強く漂わせています。

このまま額装しても素敵ですし、作品などの背景紙としても雰囲気は抜群。古く美しい文字を眺めることがお好きな方へおすすめの、英国アンティークです。



◆England

◆推定製造年代:c.18世紀後半から19世紀前半頃まで

◆素材:紙

◆サイズ:約37×23.5cm(斜めになっている場所もあります)

◆総重量(5枚の合計):49g

◆在庫数:5枚で1セットの販売です。



【NOTE】

*古いお品物ですので、一部に汚れやシミ、変色や破れ、書き込み等がみられます。

*詳細は画像にてご確認ください。

*画像の備品は付属しません。

*上記ご了承の上、お求めください。 





アイテムのご購入はショップにてどうぞ。

こちらのバナーからご来店いただけます。




Todd Lowrey Antiques

by d+A