英国アンティーク、箱入りスペリカンゲーム。
英国のアンティークマーケットで手に入れた小さな木箱。
渋い紙ラベルが貼られた箱の蓋を開けば、今にも崩れそうな説明書と、長さ10cm前後の木のスティックが17本入っておりました。説明書きには「The Game of Spellicans」の文字。
このゲームについて、少しですがご説明いたします。
まず、この品物は「Spellicans/スペリカン」ですが、このゲームは「Spillikin/スピリキン」ともよばれます。「spill」が英語で「こぼれる、落ちる」の意味があることから、これを語源とする説があるようです。
起源は諸説ありますが、中国の易で使われていたノコギリソウの茎が始まりだった、という説が有力で、後にスティックは象牙や骨、木などで作られるようになり、1800年代にはドイツや英国でプレイされていたようです。
現在このタイプのゲームは沢山のバリエーションがあり、ピックアップスティックス、ピック・ア・スティック、ジャックストロー、スピリキン(スペリカン)またはフィドルスティックスなどがあり、それぞれ微妙にスティックの形やルールが異なります。
ただ、基本的な遊び方は同じ。
まず8~20cmの長さの棒の束をテーブルの上にランダムに落として山を作り、二人以上のプレイヤーは順番に、他の棒を動かすことなく山から棒を1本ずつ取り出すことが求められます。動かしてしまった場合は次のプレイヤーに権利が移り、動かずに取り出すことができれば引き続きプレイが可能です。
最終的には最も多くの棒を拾うか、棒の色や形に基づいたポイントで、最も多くのポイントを獲得した人が勝者となります。
今回のお品物と非常によく似たものが、英国のV&A(ヴィクトリア&アルバートミュージアム)サイトで紹介されておりますので。よろしければご覧ください。
V&A
the game of spellicansの頁
https://collections.vam.ac.uk/item/O27540/the-game-of-spellicans-table-game/
なお、基本的にスペリカンゲームにはスティックのほかにフック2本がセットされていて、そのフックでスティックを引き出すようですが、今回ご紹介するお品物にはスティックらしきものは見当たりません。これはV&Aのコレクションにも言えることで、ひょっとしてフックっぽい形状のスティックがフックなのかな、と思いましたが、詳細を確認することはできませんでした。
友と過ごすひとときの話題作りに。
家族と寛ぐティータイムの余興に。
ヴィクトリアンの素朴なゲームをテーブルに広げ、しばし真剣に競ってみるのはいかがでしょうか。
◆England
◆推定製造年代:c.1890-1900年代頃
◆素材:木、紙
◆箱サイズ:幅約11.8cm 奥行き約4.9cm 高さ約2.2cm
◆総重量:33g
◆在庫数:1セットのみ
【NOTE】
*古いお品物ですので、一部に小傷や汚れ、材の欠けや紙の破れ、書き込みや変色などがみられます。
*現在木のスティックは合計17本入っています。オリジナルはもっと多かったと思われます。
*詳細は画像にてご確認ください。
*画像の備品は付属しません。
*上記ご了承の上、お求めください。
アイテムのご購入はショップにてどうぞ。
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Todd Lowrey Antiques
by d+A