英国アンティーク、最高級素材マラッカ藤とスターリングシルバーのステッキ。
英国では昔から高級ステッキの定番素材だったという「象牙のグリップにマラッカ藤のシャフト」。
それは、大航海時代に端を発し、世界中から素晴らしい品物を集めていた英国ならではの、贅沢な組み合わせといえます。現在では象牙を取り扱うことはかなりハードルが高くなりましたが、マラッカ藤(マラッカケイン)であれば、その当時そのままの使い心地を体感することが可能。この材は、マレーシア、マライ半島西岸のマラッカ海峡に面した港湾都市から出荷される周辺地域特産の藤の茎のことです。
もともとの材に斑(フラワー)が入っており、使えば使うほどそれが濃くなり、全体に艶がでてきて、しっとりと飴色になるのが特徴。その艶具合や斑などは個体差があり、その表情を愉しむのがマラッカケイン愛好者の愉しみであるといっても過言ではありません。軽く丈夫で表情豊か、そしてエイジングもたのしめるマラッカケインは、杖はもちろん、傘の柄にも使われており、現代においても英国紳士が大好きな素材。英国王室御用達、老舗の傘メーカーFOXも、傘の柄の定番素材としてマラッカ藤を取り揃えています。
今回ご紹介するステッキは、シャフトがそのマラッカ藤、そしてグリップがスターリングシルバーでできている逸品。
飴色でところどころに味わい深い斑がまるで絵画のように現れており、自然の奥深さを感じさせます。断面が円形ではなく、一部がとがった(大げさに言えば雫状)形であることも、マラッカ藤の特徴。先端は英国買い付け当時からゴムキャップがついておりましたので、このままのご紹介とさせていただきます。
グリップ部分は潔いほどシンプルな円錐形。若干の凹みやアタリなどはあるものの、まだまだ端正な美しさを感じさせます。
さて、英国アンティークシルバーの印、ホールマークを見てみましょう。
まず左端はメーカーズマーク。次にスターリングシルバーの証、ライオンパサント。次はロンドンの豹。右端がデイトレターで、だいぶ潰れてはおりますが、シールドに小文字の「u」かと思いますので、1915年と推測いたします。
メーカーズマークは非常に読みにくいのですが「A H R」かもしれません。そうだとすると、ロンドンで「A H R」は「Alfred Henry Read」となります。CoventryのHill Streetに拠点があったシルバースミスで、1883年にロンドンのアセイオフィスに登録を済ませています。1871年に設立され、20世紀まで存続しましたが、第一次世界大戦を生き延びることができませんでした。主として懐中時計の銀のケースなどを作っていたようです。
長い歳月を経てきた飴色の杖。
品格溢れるその姿は凛として、泰然とした英国紳士を思わせます。
これからは、貴方のお傍に。
いつまでも品格を持ち歩き続ける一助としていただければ幸いです。
◆England
◆London
◆推定製造年代:c.1915年
◆素材:マラッカ藤、スターリングシルバー、他
◆サイズ:全体長さ87.5cm グリップ直径約3.6cm
◆重量:約227g
◆在庫数:1点のみ
【NOTE】
*古いお品物ですので、一部に小傷や汚れ、へこみ、歪みや変色がみられます。詳細は画像にてご確認ください。
*シャフトはしっかりとしています。体重をかけてもほとんどしなりません。
*石突き部分のゴムキャップは英国買い付け当時のままです。このままご使用いただけると思います。
*画像の備品は付属しません。
*上記ご了承の上、お求めください。
アイテムのご購入はショップにてどうぞ。
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Todd Lowrey Antiques
by d+A