ずっしりとした風合いが威厳溢れるアンティークのパイント・タンカード。
Tankard /タンカードとは、取っ手がついた大型のコップのこと。
蓋がついた物をさすこともありますが、蓋がない物もそうよびます。
大きめで、取手がひとつ、ついていることがお約束。
今回ご紹介するピューターのタンカードは、イングランドの古いマーケットタウン、バンベリーで手に入れた物。
どっしりとしたフォルム、歳月を感じさせる風合いは威厳たっぷり。
ディーラーによれば、19世紀後半くらいのものだろう、とのことでした。
エッジ部分にはピューターの「Touch mark / タッチマーク」をみることができます。
このタッチマークは、シルバーでいうところのホールマークのようなもの。
誰が作ったものかわかるようになっていた・・・はずなのですが、実はシルバーほど厳格に管理されていたものではありませんでした。
まずロンドンとエディンバラにおいては、全ての製造業者がタッチマークを登録しなければならない、とされ、他の地方でもそれに準じていくはずでした。
しかし、その決まりは厳密には履行されず、さらには登録した業者すら他のマークを使いだし、それも登録したため、何千というマークが登録されてしまいついには判別が難しくなったマークが山の様にできてしまったそうです。
そんな背景があるピューターのタッチマーク。
もちろん一目で製造者がきちんとわかるマークもありますが、シルバーのホールマークに似せて、4つのマークを並べた物も多く見かけます。これは買い手がシルバーと間違えてくれることを狙ったもの、という説もございます。また、タッチマークのほかにオーナーのイニシアルやマークを入れた物も多く見かけます。
このタンカードにも、持ち主の物らしい刻印をみることができます。
あとは、入れる量を示す「PINT」の文字。
英国では1パイントは約568mlであり、現在メートル法となった英国ではグラス入りのエールやサイダーの販売、及び牛乳の販売にのみ使用されている単位です。
かつてこのパイント・タンカードでエールを飲んでいたのは、どんな人だったのでしょうか。
大きな身体で、仲間たちと笑いあいながらご機嫌でエールをがぶ飲みしていたようなおやじ殿が目に浮かびます。
私たちには大きいパイント・タンカードですが、そんな人が持てば小さく見えてしまいそう。
現代の日本では、ペン立てなどにお使いいただけそうです。
もちろんお水も洩れませんので、フラワーベースやプランツカバーとしてもお楽しみいただけます。
陶器やシルバー、ガラスなどとは異なり、どこか無骨なピューター。
でもそんなピューターだからこその素朴な誠実さをたっぷりと味わえる、英国アンティークならではのひとしなです。
◆England
◆推定製造年代:19世紀後半頃
◆素材:ピューター
◆サイズ:底面直径約14cm 高さ約12cm 取手を含めた幅約14cm
◆在庫数:1点のみ
【NOTE】
*古いお品物ですので、一部に小傷や汚れ、錆びや変色、歪みなどがみられます。詳細は画像にてご確認ください。
*飲食用としてはご提供しておりません。
*画像の備品は付属しません。
*上記ご了承の上、お求めください。
アイテムのご購入はショップにてどうぞ。
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Todd Lowrey Antiques
by d+A