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Wednesday

テンプルバーを臨む19世紀ロンドンを想う / Vintage Art Frame with Handcoloured Copperplate Print"FLEET STREET"

ロンドン・フリートストリートを描いたフレーム入り手彩色の銅版画。


















ロンドン・フリートストリートといえば、まさに中心。

王立裁判所などが面したストランドからそのまま少し東に行けば、通り名はフリートストリートとなります。そのあたりはかつてテンプルと呼ばれた地域でした。

今回ご紹介するフレーム入り銅版画は、そのフリートストリート、そしてテンプルバーを描いたひとしな。

画面中央やや左に見える特徴あるゲートが、テンプルバー/Temple Bar。

ロンドンは、現在でいう"シティ"からはじまり、広がって行った町。
要所要所に、シティへと入る関や門のようなものが設けられており、テンプルバーはそのひとつでありました。特にフリートストリートは、西のかつてのウェストミンスター宮殿から、東のロンドン搭をつなぐ通りでしたので、テンプルバーはかなり重要な門であったことが推測されます。

古くから存在したテンプルバーですが、1670年頃チャールズ2世の依頼により、クリストファー・レンが立派な石の門を造ります。

その後長くフリートストリートのシンボル的な存在でしたが、1878年に交通量の増加により移設。
跡地にはドラゴンがのったテンプルバー記念碑が建てられ、シティを今なお護っています。


今回のフレーム入り銅版画は、Thomas Hosmer Shepherd(1793-1864)による1831年のものがオリジナル。描かれているのは、1878年まであったクリストファー・レンのテンプルバー。
19世紀のフリート・ストリートの風俗をよく表した絵となっています。



実は買い付け時、中の絵がすこしずれていたため、フレームを外して直していた際に、以下の文字をみつけました。

Reproduced and hand coloured by O.C.Evans, Conway,UK

このことから、この絵はオリジナルの1831年の銅版画をO.C.Evansが復刻し、手彩色によって色をつけたものである、ということがわかります。


フレーム背面にはこの「O.C.Evans」のフルネーム「Olwen Caradoc Evans」のステッカーが貼られています。
National Library of Waleのサイトによれば、O.C.Evansはウェールズ・コンウェイにあったプリント・地図・海図等を扱っていたお店のこと。

1918年にウェールズ・アムルフに生まれたOlwen Caradoc Evans(女性)がパリで料理を学び、ロンドンで看護師として働いた後に(ここまででも十分興味深い経歴ですが)故郷・ウェールズに移り、お店を開いたのが1958年。亡くなったのが1998年ですので、その間に作られたものであることは間違いないようです。


ウェールズに在りながらも、ロンドンの名所旧跡の古い銅版画を復刻販売していたのは、彼女のかつての想い出の地だったからでしょうか。



眺めるほどに、様々な想いを巡らせてしまう、味わい深い一品です。



◆England/Wales
◆Original:Thomas Hosmer Shepherd
◆Reproduced:Olwen Caradoc Evans
◆推定製造年代:1958-1998年
◆素材:紙・木・金属・ガラス
◆サイズ:フレーム外寸/幅約21.6cm 高さ約16.6cm
◆在庫数:1点のみ


【NOTE】
*古いお品物ですので、一部に汚れや変色が、フレームには欠けがみられます。詳細は画像にてご確認ください。
*中の入れ替えは可能ですが、構造上頻繁な入れ替えには適しておりません。
*入れ替えには工具が必要です。鋭利な部分がございますので、十分ご注意ください。
*画像の備品は付属しません。
*上記ご了承の上、お求めください。




アイテムのご購入はショップにてどうぞ。
こちらのバナーからご来店いただけます。


http://toddlowrey.com/?pid=122407837

Todd Lowrey Antiques
by d+A