ノッティンガムシャー、ニューステッド・アビーを描いた19世紀の版画。
派手さはないものの、じっくり眺めれば眺めるほど味わい深さを増す、1枚の版画。
水面と木立に囲まれた、歴史を感じられる建造物が巧みな筆致で表現されています。
中央下には、以下の文字。
Newstead Abbey
ニューステッド・アビーは、イングランド、ノッティンガムシャーにある、元聖アウグスチノ修道会派修道院の館のこと。
1156年からの歴史をもち、詩人のバイロン(1788-1824)が一時所有していたことでも有名です。
左下には風景を囲む曲線に沿って、以下の文字がみられます。
London,J. & F. Harwood,26 Fenchurch Street
J. & F. Harwoodとは、John HarwoodとFrederick Harwoodが1822年頃からロンドン・フェンチャーチストリート/Fenchurch Streetで商売を始めた記録の残っているブックセラー。版元でもあり、装飾用のプリント版画類も多く販売していたようです。
創立者の一人、Frederick Harwoodが1861年に亡くなって以降の商売状況は不明なことから、おそらく1822-1861年頃までしか存在していないセラーだと思われます。
プリントには特段の作家のサインはないため、おそらくJ. & F. Harwood プロデュースによるオリジナルの版画でしょう。
イングランド各地の名勝をシリーズで制作・販売していたのかもしれません。
フェンチャーチストリートといえば、テムズ川の北、シティ・オブロンドンを横切る中心部。ロンドンに集まる各国からの観光客に向けて、美しい風景の版画はかっこうのアイテムだったのではないでしょうか。
今回ご紹介するフレーム自体は、後年にフレーミングされたものと思われます。
シックなグリーンと金彩の縁に、マットはオフホワイトと淡くグレイッシュなグリーンの二段重ね。
儚げな修道院のモノクローム版画をシックに引き立てるカラーリングとなっています。
19世紀ロンドンで売られていた、イングランドの名勝地。
さりげなくお部屋にかければ、当時のロンドンの空気がひろがってくるようです。
◆England
◆推定製造年代:版画c.1822-1861年頃 フレームc.1950-1960年代頃
◆素材:紙・木・ガラス・他
◆フレーム外寸:幅約28.5cm 奥行き約1.3cm 高さ約23.4cm
◆重量:467g
◆在庫数:1点のみ
【NOTE】
*古いお品物ですので、フレームには小傷や汚れが、版画には一部変色がみられます。
*フレーム1辺は少し他と違う色味になっている部分がございますが、正面からは見えないため、ほとんど気にならないと思います。詳細は画像にてご確認ください。
*画像の備品は付属しません。
*上記ご了承の上、お求めください。
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Todd Lowrey Antiques
by d+A