リージェンシースタイルの英国ヴィンテージコンベックスミラー。
今回ご紹介するコンベックスミラーは、英国の東部にあるアンティーク・センターで買い付けたもの。
背面下には銘板があり、「ATSONEA」「Superior Products」「MADE IN ENGLAND」の文字を見ることができます。
この「ATSONEA」とは、「B. Attewell & Sons」という金属加工を主とした会社が創った一つのブランド。「B. Attewell & Sons」は1935年頃に、ロンドン西部のサウソール/Southallで商売をしていた記録が残っています。
金属製品の他に、「ASTONEA」ブランドで装飾豊かな鏡を多く生産していました。
廃業は1968年。その頃はもう少し北の「250 KINGSBURY ROAD LONDON NW9 0BS」に移動していたらしい記録もみつけました。
多くの装飾的なミラーを展開していたATSONEAですが、そのなかでもコンベックスミラーは人気があり、特にこのようなリージェンシースタイルの品揃えがしっかりしていたようで、大きさも様々なものを製作していました。
リージェンシー(Regency)スタイルとは、ジョージ4世の摂政(Regent)時代、および在位時代の建築や家具の様式のこと。時代としては1811-1830年頃、19世紀前半となります。
華やかなヴィクトリア様式の前段としてのスタイルで、家具においてはクラシック・リバイバルの要素が強く古代ギリシア、ローマの意匠を強く意識した、重厚で品格のあるデザインが主体でした。
周囲のフレームは木のベースに、石膏で象ったディテール、そして金彩を施した伝統的な手法。ミラーの周囲は黒く、エボナイズド(黒檀風の仕上げ)されており、ミラーに映る世界をより引きてているよう。さらに周囲にはリーフパターン、球形のデコレーションが施されており、リージェンシースタイルの品格溢れる佇まいを引き立てています。吊り金具にもさりげなく「A」の文字が施されており、さすが金属加工の会社のこだわりを感じさせます。
造りから見てそれほど古くは無く、「B. Attewell & Sons」の歴史からみても1940-1960年代(1968年より前)に造られたものと思われます。
やや年代は浅いですが、重厚で品格のあるデザインはまさにリージェンシースタイルであり、古き良き時代をイメージして造られたものであるといえるでしょう。
また、直径約42cmという堂々たる大きさは、十分な迫力と存在感をもって周囲の空気を華やかに引き立てます。
「魔女の眼」ともいわれるコンベックスミラー。
凸面鏡としての独特な映り方もあいまって、まさにインテリア・アイテムとして主役級の力をもった、英国ヴィンテージの逸品です。
◆England
◆B.ATTEWELL & SONS LIMITED
◆推定製造年代:1940-1960年代頃(1968年より前)
◆素材:木、石膏、ガラス、紙、他
◆サイズ:直径約42cm 厚み約5cm
◆重量:約1.9kg
◆在庫数:1枚のみ
【NOTE】
*背面は凹凸のある紙に金色の塗装仕上げとなっています。
*吊り金具は英国買い付け時のままです。現在のところ問題なく吊ることができます。
*ミラーはほとんどキズはなく、とてもよい状態です。
*フレームには若干のアタリ、小傷、汚れなどがみられます。詳細は画像にてご確認ください。
*古いお品物ですので、上記のような事象がみられますが、全体としてはとてもよいコンディションだと思います。ご了承の上、お求めください。
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Todd Lowrey Antiques
by d+A