フランスアンティーク、ケース入りサーベイヤーズ(測量)コンパス。
「サーベイヤーズコンパス/Surveyors Compass」とは測量コンパスのこと。
今回ご紹介するのはその測量コンパス。風合いたっぷりな丸箱に入っており、小さな引掛け金具を回して蓋を開ければ、金色に輝くコンパス本体が現れます。メーカー名や工房名は記されておりませんが、ディーラーからの情報と当店の調査により、1900年代頃のフランス製としてご紹介させていただきます。
さて、一般的な測量コンパスは三脚等に取り付けて使用するため、コンパス底面に取り付け用の機構があることが一般的です。
ただ、このコンパス底面は滑らかで、なにかに取り付けるようには出来ていません。一方で、立ち上げて使用するスリット標準器の部分には、2か所ともに互い違いのフックがついておりますので、張られた紐などにこのフックを引っかけて使用していたのではないかと思われます。
例えば三脚が使えないような場所…傾斜地や水場などの状況で、標準先との間に紐を張ることができるのであれば、そこに引っかけて使用していたのかもしれない、と思います。
また一方で、鉱山の坑道において、引っかけて使用するコンパスを「Mining compass」と呼び、坑道に沿って張られた麻縄にコンパスを吊るし、コンパスの針で鉱脈の方向を確認していたものがあったとされています。
参考:サイエンス・ミュージアム・グループ
「Mining compass in engraved ivory case, Italian, 17th century」の頁
申し訳ございませんが、なぜ坑道において引っかけて使用しなければいけないかはよくわかりませんでした。
今回ご紹介するコンパスは、長くケースに護られてきたからでしょうか、コンパス本体は若干の変色はあるものの、とても良いコンディションを保っています。側面には磁針のストッパー付きで、やや硬めではありますが現在でもきちんと動作いたします。
測量は、人類史における「記録」の始まり以来、人間社会にとって非常に重要な作業の一つでした。土地を測り、領土とし、使い方を考える・・・計画と実行にあたって測量は欠かせません。
そのために、人は長い時間をかけて、様々な技術を駆使し測量機器を発達させてきました。そのなかの貴重な1ピースが、確かにここにあります。
時の記憶をもつ土地の記録用機器を、貴方のコレクションに如何でしょうか。
◆France
◆推定製造年代:c.1900年代頃
◆素材:真鍮、金属、ガラス、布、紙、他
◆ケースサイズ:直径約11.8cm 厚み約4cm
◆コンパス本体サイズ:直径約10.2cm 高さ約8.4cm
◆総重量:364g
◆コンパスのみ重量:274g
◆在庫数:1点のみ
【NOTE】
*古いお品物ですので、一部に小傷や汚れ、錆びや変色がみられます。
*現状コンパスは正常に動作します。
*コンパスは磁気の影響を受けやすいので、機械の側に置くと狂うことがあります。その際は磁力の強い磁石で修正してください。
*丸箱の蓋はバランスをとれば直立しますが、そのための機構がついているわけではございません。
*丸箱には若干の歪みが見られます。
*詳細は画像にてご確認ください。
*画像の備品は付属しません。
*上記ご了承の上、お求めください。
アイテムのご購入はショップにてどうぞ。
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Todd Lowrey Antiques
by d+A