英国ヴィンテージ、金属製の平箱。
ずっしりと重い金属製の平箱。
ただならぬ雰囲気をもつ箱ですが、まず蓋部分中央には以下の刻印がみられます。
MB12
1940
調べてみるとどうやらこの箱は、もともとはゴーグルをおさめるためのものだったようです。蝶番部分にネジが露出していない構造と、頑丈なつくりはまさに軍用にふさわしいスペックと言えます。
そして「MB」とはおそらく「Martin-Baker/マーティン・ベイカー」のこと。
「Sir James Martin/サー・ジェームズ・マーティン(1893-1981)」と「Captain Valentine Baker/バレンタイン・ベイカー大尉(1888-1942)」によって1934年に設立された航空機及び関連製品の製造業会社です。
この会社は現存しており、主として航空機用安全装備関連機器などを製造しているようです。
マーティン・ベイカー オフィシャルサイト
MB社の歴史をざっとたどってみました。
1930年代初めにMB1という複座低翼単葉機を設計。
1938年にはMB2を設計し試験飛行を行いますが、実際に採用はされなかったようです。
1942年にはMB3を開発、試験飛行中にベイカー大尉は墜落・死亡。
1943年にMB4を設計するも途中でキャンセル。
1947年までにMB7まで設計、試験などが行われていましたが、ついに実用とされたものはなかったようです。
一方でスピットファイア用の防弾座席といった航空機部品を製造、提供したり、搭乗員を安全に脱出させることが可能な射出座席の研究をするなどして、安全装備関連機器メーカーとして存在を示してきました。
このことからも、「MB12」という戦闘機は現存した記録はなく(設計はされたかもしれません)、よってこの箱に刻まれた「MB12」は、おそらくマーティン・ベイカー社の製品のひとつとしての番号なのではないかと思います。
パイロットのための安全装備を提供していたマーティン・ベイカーとしては、視界を守るためのゴーグルを提供することは自然なことだったのでしょう。
箱のふたを開ければ、中は小分けにするための仕切りがつけられています。これはおそらく後年に、小さなネジなどを分けておくために持ち主が取り付けたものと思われます。
貴方の工具箱のひとすみに、英国からの歴史を背負った渋い箱はいかがでしょうか。
得も言われぬ色と質感をもつ金属の箱は、歴史の一ページを雄弁に語り、持つ者に深い思索を与えてくれるような気がします。
◆England
◆推定製造年代:c.1940年代
◆素材:金属
◆サイズ:約17.2×7.8cm 厚み約2.3cm
◆重量:197g
◆在庫数:1点のみ
【NOTE】
*古いお品物ですので、一部に小傷や汚れ、錆びや変色がみられます。
*開閉はやや硬めですが問題はございません。
*詳細は画像にてご確認ください。
*画像の備品は付属しません。
*上記ご了承の上、お求めください。
アイテムのご購入はショップにてどうぞ。
こちらのバナーからご来店いただけます。
Todd Lowrey Antiques
by d+A