英国アンティーク、小抽斗。
「Desk Tidy/デスクタイディ」。ご存じでしょうか。
「Tidy」の意味は「きちんとした、整然とした、きれい好きな、なかなか良い」ですので、「デスクの上を整然とさせる道具」ということ。現代では主としてペン立てや小物収納具を指し、アンティークの品物ですと多くがインク壺付きペン立てを指します。でも、「デスクの上を整然とさせる道具」であれば、それはもれなくデスクタイディですので、厳密な決まりがある訳ではありません。
さて、今回ご紹介しているデスクタイディは、インク壺はついておらず、木製の小抽斗タイプ。
まず、構造材はマホガニーと思われます。深く美しい杢目を持ち、特に天板の古艶は素晴らしく、マホガニーならではの「ファイヤー」と呼ばれる金色の揺らぎが見る角度によって確認できます。
興味深いのは天板の三角形。この部分だけは材が異なり、おそらくローズウッドが使われているように思います。そして引き出しを開けると、奥の板に切り欠きがみられ、三角形の下部分に丸い穴が開いているのが確認できます。
推測ではありますが、ここにはかつてインク壺(インクスタンド)があったのかもしれません。スタンドを止めるための穴があり、天板裏側に金具があったため引き出しの奥板を切り欠いたのかもしれません。
全体のコンディションから、製作されたのは19世紀後半、ヴィクトリア時代と推測いたします。
ある時点でインクスタンドは不要となり、金具は取り去って穴を板でふさいだ・・・。でもその加工も、かなり古い時代で、優に100年近くは立っているような気がします。三角形ということは、持ち主の好みもあるのですが、アールデコが流行っていた頃(1910-1930年代)かな、などとも思います。引き出し内部に数か所半円形の切り欠きがあり、用途は不明ですが持ち主が使い勝手のためにカスタマイズしたのではないかと思います
・・・いろいろと推測ばかりで申し訳ないのですが、もしこの美しい杢目の存在感を前にしていただいたら、様々な推測はどうでもよくなるのではないでしょうか。
一方で現実的な引き出しのサイズですが、英国の古いハガキでしたらやや小さい(14×9cmが多い)のでぴったりと入るのですが、残念ながら現代日本の官製はがき(14.8×10cm)は入りません。名刺サイズ(9.1×5.5cm)を入れてみましたので、ご参考になさってください。
デスクトップに置けば美しさと収納性アップの両立を図ることができそうです。背面も塗装はきれいに仕上げられておりますので、間仕切りカウンターなどに置くのもよいかもしれません。
マホガニーの深い杢目をご堪能いただきながら、タイディにデスク周りを整えてみるのはいかがでしょう。
◆England
◆推定製造年代:c.1880-1900年代頃
◆素材:木(マホガニー、他)、布
◆サイズ:幅約23cm 奥行き約12.3cm(+つまみ1.5cm) 高さ約5.3cm
◆サイズ(引き出し内寸):19.4×9.2cm 深さ約3.5cm
◆重量:402g
◆在庫数:1点のみ
【NOTE】
*古いお品物ですので、一部に小傷や汚れ、材の欠けなどがみられます。
*引き出しはスムーズに動きます。
*詳細は画像にてご確認ください。
*画像の備品は付属しません。
*上記ご了承の上、お求めください。
アイテムのご購入はショップにてどうぞ。
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Todd Lowrey Antiques
by d+A