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Friday

半神たちの時間つぶし / Vintage Travel Chess Set/326-718

 英国ヴィンテージ、トラベルチェスセット。





















頭脳のスポーツ、チェス。


世界中で愛されてきたゲームは、ボードと駒さえあればどこでも出来る、という性格から、あらゆる場所で愉しまれてきました。


そのひとつが、列車の中。

がたがた揺れる状況を考慮し、盤に小さな穴をあけ、駒がそこに刺さるようにしたトラベルチェスセットが生まれました。移動の長い時間や、いつ来るかもわからない列車を待つのに、またとない暇つぶしであったことは想像に難くありません。




今回ご紹介するのは、そんなトラベルチェスセットです。


大きさは盤面が約12cm角。これ以上小さいと駒の扱いに困りそうな小ささです。特徴はスライド式の引き出しが仕込まれていること。片方を押せば、もう片方も連動して出てくる仕組みで、中にはそれぞれの駒をすべて納めることができます。

製造年代は第二次大戦後、1950から1960年代頃と推測いたします。平和になってきた時代、整備された鉄道で一般の人々が旅行に出かける機会が非常に増え、このような「スライド式引き出し」を持つ木製ミニチェスセットが人気だったのではないでしょうか。





貴方の旅のお供に、トラベルチェスセットはいかがでしょう。

スマートフォンのアプリも便利ではありますが、充電が無くなればただの板。いつでも、いつまででも使えるアナログでリアルなアイテムは、じっくりゆっくりと愉しむチェスととても相性が良いように思えます。





最後に「The Passionate Game: Lessons in Chess and Love」の著者であったドイツ人の「Gustav Schenk」による名言をご紹介しておきましょう。


There must have been a time when men were demigods, or they could not have invented Chess.

人類が半神だった頃は時間があったにちがいない。そうでなければチェスなんて発明しなかっただろう。



小さなチェス駒を弄びながら、じっくり過ぎる時間とともに、半神になった気分でお愉しみいただければ幸いです。





◆England
◆推定製造年代:c.1950-1960年代頃
◆素材:木
◆サイズ:盤面約12.1×12.1cm 厚み約2.5cm
◆キング:全高さ約3.7cm そのうち差し込み部分約0.5cm
◆ポーン:全高さ約1.8cm そのうち差し込み部分約0.5cm
◆駒含む総重量:206g
◆在庫数:1点のみ


【NOTE】
*古いお品物ですので、一部に小傷や汚れ、一部に駒に欠けがみられます。
*引き出しの動きはスムーズです。
*引き出しを閉めておくための仕組みはございません。移動の際はご注意ください。
*詳細は画像にてご確認ください。
*画像の備品は付属しません。
*上記ご了承の上、お求めください。 




アイテムのご購入はショップにてどうぞ。
こちらのバナーからご来店いただけます。



Todd Lowrey Antiques
by d+A

レニングラードから世紀を超えて/ Antique Brass Compass with Case/326-446

 ソビエト連邦アンティーク、レザーケース付山岳コンパス。






















英国の小さな町で行われていたアンティークフェア。


ほぼ英国人しかこないようなローカルなフェアでしたが、さすがにアンティーク大国、じっくり回れば興味深い品物をいくつもみつけることができました。



そのなかのひとつ。


気のいい親爺殿と元気なレディが営むストールで見つけたのがこのコンパスです。はじめは歳月を経たレザーケースの質感にやられ、そこから親爺殿が取り出してくれた見たことのないコンパスに夢中になりました。


「珍しいだろう。ロシアのものだよ」


英国はもちろんドイツの古いコンパスは今まで多く見てきましたが、ロシアのものは初めて。どうりで見たことが無いはずだ、とあっというまに購入を決めてしまいました。





まず、本体の上部にはロシア語で以下の刻印がみられます。



К.К. ТИММ  (K.K. ティム)

ЛЕНИНГРАД  (レニングラード)






・・・まずはレニングラードから考えてみましょう。


現代の名前は「サンクトペテルブルク」。


もともとは1703年ロシア帝国首都として命名。由来は、この町を築いたピョートル1世が、自分の守護聖人である「聖ペテロ」にちなんで「聖ペテロの街」を意味する言葉からつけたとされます。


第一次世界大戦の勃発によりドイツ風の名称を避け、1914年に「ペトログラード」へ変更。


ソビエト連邦の指導者「ウラジーミル・レーニン(1870-1924)」が亡くなり、彼にちなんで1924年に「レニングラード」へ変更。


ソビエト連邦崩壊(1991年12月)の直前、住民投票を経て、1991年9月「サンクトペテルブルク」へ変更。




色々とあった末に、18世紀の名前へと戻ったロシア第二の都市。そこにある世界最大の美術館のひとつ、エルミタージュ美術館はあまりにも有名です。




そんなレニングラードにあった「K.K. ティム」は光学・精密機器工房、または工場と思われ、このコンパスはそこでつくられた山岳用コンパスと思われます。



ロシアのマガダン州立郷土博物館のサイトでそっくりなコンパスを見つけたので、ご興味ある方はご覧ください。



参考:マガダン州立郷土博物館 コンパスの頁

https://magadanmuseum.ru/index.php?newsid=14477





盤に対して向かって右下のネジは、締めると磁針が止まるようになっています。

そして左上にあるパーツは、磁針の下にあるおそらく方向を定めるパーツ用だと思うのですが、現時点では「右に振り切った時にだけロック」もしくは「フリー」のどちらかであり、任意の場所にとめることは出来ません。そういう仕様なのか、なんらかの不都合でこうなってしまっているのかは、わかりませんでした。



それでも、留め具は既に無いものの頑丈さは折り紙付きのレザーケースにしっかりと納まった、ずっしりと重い本体の存在感は格別。わずかなドーム型の蓋をパカリと外せば、珍しいロシア語の「東西南北」を刻んだ盤面をみることができます。


東: восток (ヴォストーク)

西: запад (ザパト)

南: юг (ユーク)

北: север (セヴェル)




今は無きソ連、レニングラードから世紀を超えてきた山岳用コンパス。

揺らぐ針は今も昔も北を指し、変わらぬ何かを伝えてくれている様でもあります。




とても珍しい稀有なひとしなを、あなたのコレクションに加えてみてはいかがでしょうか。







◆CCCP

◆推定製造年代:c.1924-1930年代頃

◆素材:真鍮、ガラス、他

◆本体サイズ:約7.5×9.8cm 厚み約1.8cm

◆ケース込総重量:309g

◆本体重量:276g

◆在庫数:1点のみ



【NOTE】

*古いお品物ですので、一部に小傷や汚れ、錆びや変色等がみられます。

*ケースの留め具は一部失われています。ケースには傷みがみられます。

*蓋はネジ式ではなく、ぎゅっと摩擦でとめるタイプです。開けるときはぐっと引っ張ってください。

*詳細は画像にてご確認ください。

*画像の備品は付属しません。

*上記ご了承の上、お求めください。 





アイテムのご購入はショップにてどうぞ。

こちらのバナーからご来店いただけます。




Todd Lowrey Antiques

by d+A


それは音もなく刻む / Antique Silent Gravity Metronome by A. Pinfold & Co./526-110

 英国アンティーク、メトロノーム。





















メトロノーム。



ギリシャ語で「拍/はく」を 意味する「metron/メトロン」と、「規律」を意味する「nomos/ノモス」から作られた造語とされ、多くの方が思い浮かべるゼンマイ式の四角錐のメトロノームは、ドイツ出身の「Johann Nepomuk Malzel/ヨハン・ネポムク・メルツェル(1772-1838)」が1815年に特許を取得したものです。


カチ、カチとテンポを刻むアナログな機械は世界へと広がり、メトロノームの代名詞ともいえる存在かと思います。







ただ、今回ご紹介するメトロノームは、その代表的なゼンマイ式メトロノームとは一線を画すお品物。




まず、構造は非常にシンプル。


3本足の台座に、長い棒状の振り子となる上部パーツを乗せるだけ。テンポを刻むスピードは、上部パーツに差し込まれたスライド式パーツを上下させることで行います。



手で揺らせば、二本のピンで支えられた棒状の振り子はゆらりと動き出し、任意のテンポで左右に振れ続けます。もちろんやがてはゆっくりとなってしまうのですが、上手く揺らせばその後は触れずとも30秒程度はテンポにのってくれるようです。






もう少しお品物をみてみましょう。


スライド式パーツには以下の刻印がみられます。



PINFOLDS

Rd No 12445

BREVETE S.G.D.G.




つまりこれは英国の「A. Pinfold & Co./A.ピンフォールド社」による「Silent Gravity Metronome/無音・重力式メトロノーム」です。



発明者は1864年にバッキンガムシャーで生まれた「Arthur Gough Pinfold/アーサー・ガフ・ピンフォールド」。彼は時計・宝石職人であり、音楽家でもあった父のもとに生まれました。一家はのちにヨークシャーに転居し、時計の修理やジュエリー製造を営むビジネスをスタートさせます。


音楽への造詣が深かったアーサーは、当時主流だったゼンマイ式のメトロノームに対して、もっと安価で無音のものが作れないかと思案し、このメトロノームを考案しました。1884年には英国のレジストレーション番号(12445)を取得。世界中で販売され、アーサーと家族は生産量を増やすためにブラッドフォードに専用工場を設立しました。ただ、メトロノームは成功したものの、他にも様々な発明品を生み出し製造していったせいか、1894年には会社は倒産してしまいました・・・。



また、最後の「BREVETE S.G.D.G.」はフランス語で「政府の保証なしの特許取得(Brevete Sans Garantie Du Gouvernement)」を意味します。この製品がフランス市場など、ヨーロッパ全域に向けて輸出されていたことがわかります。




ちなみに振り子の目盛りはテンポ144から48まで。一番下には「CALCULATE FOR OTHER NUMBERS」とあります。これは表示されている以外の、他の数字の場合はうまく計算して、(パーツを動かして)ください、という意味かと思います。そして裏面にはリズムの早さを表す ALLEGRO  ANDANTE  ADAGIO  LARGHETTO  LARGO の文字が刻まれています。





同型のメトロノームがTHE MET(メトロポリタン美術館)のサイトにも掲載されていましたのでご紹介しておきます。


Metronome

A. Pinfold & Co.

ca. 1890


https://www.metmuseum.org/art/collection/search/505585


ちなみにTHE METの説明では「Nickel」となっていますが、今回のお品物はどうみても真鍮製なので、真鍮としてご紹介いたします。同型で素材違いがあったのかもしれません。





動作状況を動画としてみました。ご参考までにご覧ください。なお、音はスマホアプリのメトロノームの音です。ピンフォールドのメトロノームから音はほぼ発しておりません。(しいていえばわずかな風切り音でしょうか)




80 BPM(Beats Per Minute)の場合




120 BPM(Beats Per Minute)の場合





わずか10年ほどしか製造されなかった、ピンフォールドのメトロノーム。驚くほどシンプルな構造ながら、施された意匠はたおやかで優雅。すらりと立つ様は一種のアートのような美しさです。




音楽を愛するすべての方へ。


心からおすすめする、英国アンティークの稀有な逸品をお届けいたします。




◆England

◆A. Pinfold & Co.

◆推定製造年代:c.1884-1894年頃

◆素材:真鍮

◆サイズ:高さ約28.8cm 幅約8.8cm 奥行約4.2cm

◆重量:186g

◆在庫数:1点のみ



【NOTE】

*古いお品物ですので、一部に小傷や汚れ、錆びや変色等がみられます。

*台座には若干のゆがみがみられ、正面から見るとやや傾いて見えます。

*詳細は画像にてご確認ください。

*画像の備品は付属しません。

*上記ご了承の上、お求めください。 





アイテムのご購入はショップにてどうぞ。

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