Search This Blog

Friday

見知らぬ土地を歩く為の相棒 / Antique Opisometer with Compass and Pencil

ドイツアンティーク、1つで3役の便利ツール。















「opisometer/オピソメーター」とは、地図上の曲線をなぞって、その長さ(距離)を測定する器具のこと。


棒の先にある小さなローラーをころがすと、目盛りの付いた円盤の針が連動して動く仕組みです。「曲線計」「マップメジャー」そして「キルビメーター(curvimeter)」とも呼ばれることがあります。

初期のバージョンとしては、1873年に英国のEdward Russell Morrisが特許をとったものがあるそうです。




今回ご紹介するお品物は、そのオピソメーターをベースに他の機能が追加された便利グッズ。


まずはオピソメーターからみていきましょう。
円盤には「Inches to Miles 」「Centimetres ti Kilometres」の文字が見られ、「インチとマイル」「センチとキロメーター」の換算も出来るようになっています。
「Germany」の文字がありますので、ドイツ製、でも英語表記ですのでイギリスもしくはアメリカに向けての輸出仕様なのでしょう。



そして、反対の面はドーム状のガラスに覆われたコンパス(方位磁石)。ここでも東がドイツ語の「Osten」ではなく「East」という英語表記になっています。




更に、縦溝が彫られた軸は、実はシャープペンシル。


シャープペンシルの歴史は意外に古く、18世紀末には確認されており、本当はもっと古くからあったと思われます。
1822年には英国で特許が出願され、1837年(一説には1838年)にはアメリカで発明家のキーランが繰り出し式のものを「エバーシャープ」の名で発売しており、一般的にはこれが現在のシャープペンシルの元祖とされています。
ちなみにシャープペンシルは和製英語で、英国では"propelling pencil"もしくは"mecanical pencil"ですが、ここでは以降"ペンシル"と呼ぶことにします。


ペンシルは軸を回せば先端から芯が繰り出される仕組みとなっており、ペンシルの軸に対しオピソメーター兼コンパスはネジ込み式でとまっており、外すことも可能。



ただ、残念ながら芯はかなりすり減っており、あとわずかで書けなくなってしまいます。
芯は太めで、0.5及び0.7よりは太いものであり、芯交換(芯の追加)がなんとかできないかと試したのですが、わかりませんでした。


こんな状態ではありますが、オピソメーターとコンパスはもちろん現役で活動中。
胸ポケットに入れておくのにちょうどよい大きさかと思います。ぴったりと納まる専用のケースも付属しています。


お時間と手に技があるかたでしたら、じっくりと芯交換に挑戦いただくのもよろしいかもしれません。



地図を読みながら距離を測り、方角をみてメモをとる。
1つで3役のこのツールは、そのすべてを叶える夢のような一品であったといえます。
紙の地図1枚を持たされて見知らぬ道を行くとき、どんなに頼りになったことでしょうか。



かつての旅人達が胸にした想いを、どうぞ感じてください。



◆Germany
◆推定製造年代:c.1940-1950年代頃
◆素材:金属・ガラス・他(ケースは合皮と思われます)
◆本体サイズ:長さ約11.3cm
◆本体重量:30g
◆在庫数:1点のみ(ケース付)


【NOTE】
*古いお品物ですので、一部に小傷や汚れ、変色がみられます。詳細は画像にてご確認ください。
*コンパスは現在も使用可能ですが、精緻な計測にはおすすめできません。
*ペンシルの芯はもうじき無くなります。交換方法は不明です。
*画像の備品は付属しません。
*上記ご了承の上、お求めください。




アイテムのご購入はショップにてどうぞ。
こちらのバナーからご来店いただけます。



Todd Lowrey Antiques
by d+A