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Saturday

ドイツ生まれの正統派ベア / Vintage Steiff Baby Teddy Bear

シュタイフ社の小さなヴィンテージ・テディベア。












ドイツの老舗ぬいぐるみメーカー、シュタイフ社。

世界で最も有名なぬいぐるみブランドといっても過言ではないでしょう。


ドイツの小さな町ギンゲンに生まれたマルガレーテ・シュタイフ(1847-1909)が、二人の姉と自宅の二階で始めた洋裁店がシュタイフ社の始まり。
1877年には女性や子どもの洋服を製造販売する「フェルト・メール・オーダー・カンパニー」を設立。

1880年に彼女はファッション雑誌からヒントを得て小さなぬいぐるみゾウを作ります。
小さな甥や姪にはおもちゃとして、大人の女性たちにはピンクッション(針刺し)としてクリスマスにプレゼントすると、その愛らしさがたちまち評判となり、お店の前にはゾウのぬいぐるみを求める人々で行列ができるほどになっていました。
この1880年が、シュタイフ社の創業の年とされています。

1902年、マルガレーテの甥のリチャード・シュタイフのアイデアによって誕生したのが、腕と脚を動かせる毛足の長いモヘアで作られた「本物のようなクマのぬいぐるみ」でした。

1903年、このベアはルーズベルト大統領の晩餐会のテーブルディスプレイに使われ、セオドア・ルーズベルト大統領のニックネーム「セオドア=テディ」にちなんで、クマのぬいぐるみは「テディベア」と呼ばれるようになり、一大ブームを巻き起こしました。

「ボタン・イン・イヤー」の誕生はこの翌年。
類似の粗悪品と区別する為に、シュタイフ社は製品の全てにボタンを取り付けるようになります。


テディベアを生み出し、ぬいぐるみの歴史とともに歩んできたシュタイフ社。

今回ご紹介するのは、そのシュタイフ社のヴィンテージ・テディベアです。





買い付けたのは英国の大きなアンティークフェア。
屋外のテント、おもちゃ類を多く扱っている女性店主のブース。
テントの一番奥のガラスケースには、店主の思い入れが特別強そうな、小さなぬいぐるみが並べられていました。そのうちのひとつが、この小さなテディベア。

手のひらよりも小さな可愛らしい姿と、ちょっと生意気そうな表情がなんとも可愛らしく、手に取ってみせてもらいました。

「シュタイフの古いベアよ。キュートでしょう!」

・・・はい、もちろんでございます。

左耳には1904年からシュタイフ社製品の証である「ボタン・イン・イヤー」がついております。

このボタンは1904年から現在まで、形や素材、字体などが度々変わってきました。
1904年の一番初めのボタンには「象」の形のみ。1908年頃から「STEIFF」の文字のみとなります。


今回ご紹介するベアのボタンのちょっと変わった字体は1952-1953年に使われていたもの。本来はタグもセットでボタンに止められているのですが、今回のベアのタグは残念ながら失われております。


一度手にしてしまった小さなベアと離れがたく(いえ、手にする前から分かってはいたのですが)安くはない金額を払って手に入れてしまいました。





ぬいぐるみの歴史を作ってきたといっても過言ではない、シュタイフ社のテディベア。
そのなかでも、もう手に入れることが難しいヴィンテージのテディベアを持つことは、ぬいぐるみ好きにとっては危険な麻薬のようなものかもしれません。
(それにしても、なんて可愛い麻薬・・・!)


さあ、どうぞ手を出して。
70年近く前のドイツからやってきた小さく可愛い正統派ベアを、貴方のものとしてください。





参考:シュタイフ社の歴史(日本語版)
シュタイフ社公式サイト
http://www.steiff.co.jp/history/

参考:ボタン・イン・イヤーの年代(英語版)
英国のテディベアミュージアムのサイト
https://www.teddybear-museum.co.uk/collections/steiff-dating-and-identification



このベアはもう1体のヴィンテージベアとセットで買い付けました。もう1体のベアはこちらからご覧ください。


◆英国買付/ドイツ
◆Steiff社
◆推定製造年代:c.1952-53年頃
◆素材:布・金属・他
◆サイズ:身長約9.5cm お座りの時の高さ約7.5cm
◆重量:15g
◆在庫数:1点のみ


【NOTE】
*古いお品物ですので、一部に擦れ等がみられます。詳細は画像にてご確認ください。
*手足にジョイントはございません。
*首部分は少し硬いパーツが入っていて、ジョイントのように思えますが、現状首を廻すことはできません。
*首部分にタテに縫い目がみられます。製造当時のものか、後につけられたのかは不明です。
*お座りは可能ですが、座り癖をつけてからそっと手を放す感じです。時間が経つと寝転んでしまいます。
*画像の備品は付属しません。
*上記ご了承の上、お求めください。




アイテムのご購入はショップにてどうぞ。
こちらのバナーからご来店いただけます。



Todd Lowrey Antiques
by d+A