紳士の為の西洋小物骨董店 トッドローリイ・アンティークスの
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Saturday
土曜の夜にホイストをしないなんて / Antique Whist Marker by CHAs.GOODALL & SON, LONDON
英国アンティークのホイスト・マーカー。
突然ですが、ホイスト、ご存知ですか?
ホイストとは、ブリッジの元になったゲームのこと。
4人が2人ずつ2チームに分かれて勝敗を争うトランプゲームで、英国においては18世紀-19世紀にかけて大変流行しました。
現在世界的にはホイストよりもブリッジのほうが人気がありますが、英国では現在もかなりプレイされているゲームのひとつとなっています。
概略を説明しますと・・・
通常の52枚のカード(ジョーカー以外)を使用し4人で2人づつのチームで勝敗を競います。
古くからある「ロング・ホイスト」と、より勝負が早くつく「ショート・ホイスト」の2種類があり、ショート・ホイスはどちらかのチームが5点、ロング・ホイストは9点を先取したところで終了となります。また、英国では通常3ゲーム中2ゲーム先取した側を勝ちとし、これをラバー/rubberといいます。
このホイスト、英国ヴィクトリアンの頃の小説にしばしば登場するのです。
例えば「八十日間世界一周」。主人公のフィリアス・フォッグは、ロンドンのクラブでホイストに興じているところから物語が始まります。
例えば「シャーロック・ホームズ 赤毛組合」銀行の頭取が「土曜の夜にホイストをしないなんて」と発言しています。
またイングランド・ヴィクトリア時代の作家、ジョージ・エリオットは以下のような言葉を遺しています。
“Life is like a game of whist. I don’t enjoy the game much; but I like to play my cards well, and see what will be the end of it."
実際にプレイはしなくても、ホイストというゲームの存在を知っているだけで、その頃の風俗がよりリアリティをもって感じられることができます。
さて、今回ご紹介するのは、そのホイストをよりスマートに愉しむために欠かせない「whist markers/ホイストマーカー」。
トランプのカード大の厚紙に、立体感のあるエンボス加工でダイヤル状のデザインが施され、手動で回せる針がついています。
これで、今何点取っているのか、どの段階のゲームなのかがわかるようになっています。
勝負に夢中のご仁たちは、このマーカーを回しながら、どんなに盛り上がっていたことでしょう・・・。
さて、このホイストマーカー、下にはきちんとメーカーの社名が刻まれています。
「CHAs.GOODALL & SON LONDON」
これは、1820年、Charles Goodall(1785-1851)が ロンドン、ソーホーで創業したカードメーカー。
プレイングカード(トランプ)やメッセージカードを制作していました。
後にGreat College Streetに移転、二人の息子も事業に参加し、1000人を超える従業員を雇い、年間に200万パッケージのトランプを生産したといわれています。 。
1860年代にはwhist markers/ホイストマーカー, Bezique sets/ベジークセット, cribbage boards/クリベッジボード, score cards/スコアカードなどのアクセサリー生産にも力をいれていたようです。
その後、第一次大戦後1922年には倒産してしまいますが、ジョージアン、ヴィクトリアン、そしてエドワーディアンを通じて、英国の最も著名なカードメーカーであったことは間違いないといえると思います。
同社の歴史から見て、このホイストマーカーはヴィクトリアンの終わり頃からエドワーディアンにかけてのものと推測いたします。
品格溢れる濃紺にくすんだ赤がポイントのデザイン。
金の箔押しのラインや文字。
凝った針のクラシカルな意匠。
ホイストの事を知らない方でも、どこか心魅かれる美しいカードであるといえると思います。
お部屋のワンポイントに。
もちろん、ホイストをプレイする時のマーカーとして。
遠いヴィクトリアンのクラブのざわめきが聴こえてきそうな、英国アンティークの小品です。
◆England
◆推定製造年代:c.1890-1910年代頃
◆素材:紙・金属
◆サイズ:約6.6cm×9.7cm
◆重量:13g
◆在庫数:1点のみ
【NOTE】
*古いお品物ですので、一部に小傷や汚れ、紙の傷みや変色がみられます。詳細は画像にてご確認ください。
*画像の備品は付属しません。
*上記ご了承の上、お求めください。
アイテムのご購入はショップにてどうぞ。
こちらのバナーからご来店いただけます。
Todd Lowrey Antiques
by d+A
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Little Something