ドイツアンティーク、リーディングストーン。
ドイツ、ベルリンから来たリーディングストーンのご紹介です。
直径約7cm弱。半球状の硝子は底面がフラットで、本や書類に乗せて置けば、そのまま文字を拡大してみることができます。
ベース部分にはダークな金属枠が嵌められており、以下の文字が刻まれています。
S.D.G. Berlin
D.R.P.angem.
Visolettglas
Reg. Trade Mark
詳細は不明ですが、ベルリンの「D.R.P.angem.」による「Visolettglas」である、と記されているのではないかと思います。
「Visolettglas/ヴィッソレットグラス」とは、英語では「Reading Stone」、日本語では「読書石」などと呼ばれる、半球状のレンズの事。
このようなタイプのリーディングストーンは、現在もガラスや樹脂などで作られ、販売されていますが、機能的にはほぼ変わらずにいるようです。
リーディングストーンの歴史は古く、イスラム科学者で自然科学者のアブ・アリ・アル・ハサン・イブン・アル・ハイサム(995年~1039年)がきっかけといわれていますが、透明球の一部を使用して光学的に拡大させるという彼のアイデアが実用化されるまでには、長い年月がかかりました。
13世紀にイタリアの修道士が、書き物の上に置くと文字が拡大される水晶と石英製の半球面レンズを開発。老眼に苦しんでいた高齢の修道士たちに大いに喜ばれ、それが事実上のリーディングストーンの始まりとされています。この時期に、ドイツ語でメガネを指す単語「Brille」が使われ始めました。この名前はなめらかに磨いて初期のレンズに使用された鉱石の呼び名「beryll/ベリル」に由来しています。
なお、「Glas」はドイツ語でそのまま「ガラス」ですが、「Visolet(t)」の由来は色々調べましたがわかりませんでした。
今回ご紹介するリーディングストーンは、第二次大戦からその少し前くらいのお品物と思われます。リーディングストーンとして、そしてペーパーウェイト代わりに、沢山の書類で溢れたデスクには必需品だったのではないでしょうか。
真上から見ればしっかりと文字や図形を拡大してくれる拡大鏡としてお使いいただけますし、少し離れたところから眺めれば、周囲の景色を取り込み、光を湛えるオブジェとして独特の存在感を放ちます。
遥かな歴史をもつ読書石を是非お手元でご堪能ください。
◆Germany
◆推定製造年代:c.1930-40年代頃
◆素材:金属・ガラス
◆重量:243g
◆在庫数:1点のみ
【NOTE】
*古いお品物ですので、一部に小傷や汚れ、錆びや変色がみられます。
*ガラスに欠けやワレは見あたりません。
*詳細は画像にてご確認ください。
*画像の備品は付属しません。
*上記ご了承の上、お求めください。
アイテムのご購入はショップにてどうぞ。
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Todd Lowrey Antiques
by d+A