英国アンティーク、スタンド式ハンドクリップ。
英国でヴィクトリア時代に流行した、手の形をしたクリップ。
袖口のレースのデザインが凝っていたり、指輪をはめていたり、様々な形の物が作られ、とても流行した小物です。誰もが整理に頭を悩ます手紙やカードなどをひとまとめにしたり、読みかけの本をちょっととめておくのに便利な存在でした。後年にも生産され続け、ヴィクトリアン・ハンドクリップとして根強い人気があります。
さて、今回ご紹介するのは、そんなハンドクリップを利用して、スタンドに仕立てたお品物。
当店では以前、小さな3つのハンドクリップが斜め下向きについたスタンドをご紹介したことがありました。それは1950年代頃ニューヨークにあったブラス・カンパニーの品物でした。3つのハンドクリップ付きスタンドはなかなか流行したらしく、他のメーカーの物や無銘のものまで、ある程度の数をアンティーク・ヴィンテージ市場でみることができます。
ただ、今回ご紹介する「1つの上向き直立タイプ」は、私としては初めて見るタイプでした。英国のアンティークフェアで見つけた時、販売していたのは白髪の上品そうなお婆様でした。
「このタイプは本当に珍しいのよ。」
そういいながら、愛でるようにゆっくりと差し出してくれたのを覚えています。
六角形で小さな葉っぱの浮彫を持ち、透かしまで入った凝ったベース。底から立ち上がる挽物細工をもした凹凸感ある支柱。そして堂々たるヴィクトリアン・ハンドクリップが天に向けて立っております。袖口のレースや指のディテールはやや平面的ではありますが、全体の迫力で目を惹く佳品であることは間違いございません。
全体としては鈍い銀色系の合金でできており、その上に金色のメッキが施されています。
経年変化でところどころ金が剥がれ、地金の銀色がでてきていますが、それがまた良い景色となっているように思います。製造年はヴィクトリア時代よりはやや新しく、20世紀初頭と推測いたします。重さは325gとしっかりとした重量感があり、バランスもとれているので安心してクリップにカードなどを挟んでおくことが出来ます。
よく見ると、人差し指にリングが嵌っているのがわかります。
15世紀イングランドでは、右手の人差し指につける指輪は権威の象徴で、価値の高い指輪をつけるほど権力が大きいと見なされていたとか。
現代では、人差し指につける指輪は「インデックスリング /Index Ring」と呼ばれています。 未来に向かう指針や指標などの意味「インデックス」。 人差し指には自立心、行動力が向上するという意味があり、インデックスリングを身に着けることで夢や目標を現実的に叶えていく力をもたらしてくれると言われています。
上に向かう手。
夢や目標を現実的に叶えていく力を象徴する指環。
どちらにしても、強力なポジティブイメージを纏ったスタンドである、といえると思います。
季節のカードを挟んでディスプレイしたり、ご家族や同僚の方へのメッセージを挟んでおくのもよろしいかもしれません。もちろんショップディスプレイにもとてもお勧めです。この金色の手から伝えられたなら、どんな内容でもとてもポジティブに受け止めてもらえるような気がいたします。
貴方の暮らしに彩と楽しさを添える、英国アンティークの佳品を是非どうぞ。
◆England
◆推定製造年代:c.1900-1930年代頃
◆素材:金属
◆サイズ:ベース直径約8.3cm 高さ約20.8cm
◆在庫数:1点のみ
◆重量:325g
【NOTE】
*古いお品物ですので、一部に小傷や汚れ、錆びや変色、金色の剥がれ等がみられます。
*クリップはしっかりと動作し、紙1枚でもしっかりとめられます。
*ベース部分はネジ式で支柱にねじ込まれています。もし緩んだ場合は手で締めてください。
*詳細は画像にてご確認ください。
*画像の備品は付属しません。
*上記ご了承の上、お求めください。
アイテムのご購入はショップにてどうぞ。
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Todd Lowrey Antiques
by d+A