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Saturday

秘密のお小遣いを護る黒い馬 /Vintage Book Shaped Money Box by LLOYDS BANK LIMITED

 英国ヴィンテージ、ロイズバンクの本型貯金箱。















ロイズバンク、ご存じでしょうか。


1765年創業、英国で最も歴史のある銀行のうちのひとつであり、多くの吸収合併を経て、現在は「ロイズ・バンキング・グループ」として英国で第4位の規模を持つ銀行グループです。


今回ご紹介するのは、そのロイズバンクによる小さな本の形をした貯金箱です。英国では1920年代以降頃から、このような本型の貯金箱が各銀行や郵便局で扱われており、様々なデザインをみることができます。


子供に鍵無しで渡し、お金を貯めさせて、銀行にそのまま持って行って貯金をさせた、だから基本鍵はついていない・・・という説明を受けたこともありますが、それを裏付けるものを見つけることができませんでしたので、ひとつの説としてご紹介しておきます。その説を裏付けるように、本体とセットで残っていることはそう多くはなく、もしあってもなかなかの値段で取引されているようです。

実は私も開かないブック型貯金箱を何個か持っていますが、今回初めて鍵付きを手に入れることができました。




今回ご紹介する貯金箱の細かいところをよく見てみましょう。

まずは大きさは約7.7×11.9cm。日本の一般的な文庫本が10.5cm×14.8cmですので、文庫本よりもひとまわり小さいサイズとなります。表紙には「LLOYDS BANK LIMITED」の文字とロイズバンクのシンボル、馬のマークが1677の年号と共に刻まれています。本体はずっしりと重い金属製。仕上げは赤茶色のエンボス加工をされたレザーで、いかにも本のような佇まいをしています。


一度差し込んだら逆には行かないように厳重に細工されたスリットがついていて、そこには以下の文字がみられます。


FOR COINS AND NOTES

PATENTS 371140 AND 375043

PEARSON PAGE JEWSBURY co. LTD ENGLAND


この「PEARSON PAGE JEWSBURY co. LTD」とは1911年、HEYFORDにて創業した金属加工会社で、1920年代頃からこのようなブック型の貯金箱を多く製造していたようです。



さて、この貯金箱にも記されているロイズバンクの象徴の馬。これは実は黒い馬であり、ロイズバンクの広告にかなり前から登場するシンボルでもあります。


ロイズバンクの起源は、玩具製造業者のジェームス・テイラーと製鉄業でクエーカー教徒のサンプソン・ロイドがバーミンガムで「テイラーズ&ロイズ社」を設立した1765年に遡ります。当時テイラーズ&ロイズ社が採用したシンボルは蜂の巣で、産業と勤勉(倹約)を表していました。 1852年ジェームス・テイラーの死により同行は「ロイズ・アンド・カンパニー」に社名を変更、その後のロイズバンクの歴史へと繋がっていきます。



さて、黒い馬はいつ登場するのでしょうか。

実は黒い馬は、1677年ロンドン、ロンバードストリート/Lombard Streetで、金細工師ハンフリー・ストークスの店の上に掲げられていたものでした。17世紀には番地がなかったため、会社や店は装飾的な看板を使い、目印としていました。「看板=シンボル」は、その当時多くの人が文字を読み書き出来なかったため、身分を証明する手段ともなりました。

1728年までに、この黒い馬のシンボルはロンバードストリートの別の金細工師、ジョン・ブランドによって使用されるようになりました。この会社は最終的に 「Barnetts, Hoares & Co」となり、1884年に、同社のロンバード・ストリート銀行をロイズ銀行が吸収したことから、その商標であった有名な「黒い馬」を引き継いだとされています。



参考:ロイズバンク 歴史 の頁

https://www.lloydsbankinggroup.com/who-we-are/our-heritage/lloyds-bank.html


参考:Bite Sized Britain  Lloyds' black stallion の頁

https://www.bitesizedbritain.co.uk/lloyds-black-stallion1/




一見するとロイズバンクの期限が1677年のようにもみえますが、実はそうではないところが英国らしい気概を感じさせます。もし誰かに理由を尋ねれば、長い長い話が始まる予感しかありません・・・・。


黒い馬のデザインは年代と共に少しづつ変わってきており、現代の馬はすらりと格好よくデザインされています。この貯金箱の馬はおそらく1950年代頃の形と思われますので、この貯金箱もその頃のものと推測いたします。


投入口は4cm以上幅がございますので、500円硬貨が余裕で入りますし、4つ折りにした紙幣も入れることができます。ただ、仕掛けがありますので、厚紙などを指し込んでコインを抜き出すことはできませんのでご注意ください。


開閉を動画でアップしましたので、よろしければご確認ください。








本棚に収まる小さなロイズバンクを、貴方の書斎にいかがでしょうか。少しづつ、小さな本にお小遣いを貯めてみる密かな楽しみが待っています。


17世紀からの歴史を持つ黒い馬が、貴方の大切な秘密のお小遣いを護ってくれることでしょう。



◆England

◆推定製造年代:c.1950年代頃

◆素材:金属、革

◆サイズ:約7.7×11.9cm 厚み約2.3cm

◆投入口:幅約4.1cm

◆在庫数:1点のみ

◆重量:240g





【NOTE】

*古いお品物ですので、一部に小傷や汚れ、錆びや変色、レザーの傷み等がみられます。

*鍵は施錠、解錠が可能です。操作方法は動画をご参照下さい。

*品物の詳細は画像にてご確認ください。

*画像の備品は付属しません。

*上記ご了承の上、お求めください。 





アイテムのご購入はショップにてどうぞ。

こちらのバナーからご来店いただけます。

Todd Lowrey Antiques

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