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Friday

シンプルモダンなヴィクトリアン / Antique Victorian Silver Plated Letter Opener

 英国アンティーク、銀メッキのレターオープナー。












英国の大きなアンティークセンターで手に入れたレターオープナー。


とてもモダンに思えるデザインですが、このタイプのものは18世紀からみることができます。もともとは肉や野菜を焼くための串の形状からきており、レターオープナーとしても使われるようになったようです。



本体にはいくつかのマークが打ち込まれていますが、正直かなりすり減って判読は難しいです。ただ、このお品物と一緒に買い付けた同じデザイン、サイズ違いのレターオープナーがあり、そのマークはよく読めましたので、一緒のものとしてご説明させていただきます。


マークのひとつはシールドの中に「クラウン、EP」。これはシェフィールドのアセイオフィスの印であるクラウンと「Electric Plate」の頭文字を組み合わせた物。

他には「A」、そして他は飾り文字で判読が出来ませんが、恐らくはメーカーの頭文字かと思います。銀色の仕上げでこのようなマークが並んでいると、一見スターリングシルバーのホールマークのように見えます。


実はそれこそがこの狙い。

現在ほど情報が行き届いてない時代、うろ覚えのホールマークしか知識のない人たちに向けて、スターリングシルバーである、と思わせた・・・ということなのかな、と思います。


13世紀に品質が定められ、16世紀半ばごろにはさらにしっかりとしたホールマーク制度が確立した英国の銀製品。

ただ、1742年にイングランドのシェフィールドにおいて発明された銀メッキ(オールドシェフィールドプレート)により、その制度が揺らぎ始めます。メッキ製品にシンボルや文字を打ち込むことを禁止する法律が作られ、オールドシェフィールドプレートの時代まではそこそこ守られてはいたものの、ヴィクトリア時代、1840年代に銀メッキが「Electric Plate=電気メッキ」で出来るようになってからは、ほとんど無視される状態になったといいます。


好まれたシンボルの1つは、シェフィールドアセイオフィスによってスターリングシルバー製品に使用されていた「クラウン」でした。クラウンと組み合わせるように、「S」 (Sons または Sheffield )、「EP」 (Electro Plate ) のイニシャルと多数の記号を組み合わせた商標が人気だったようです。


銀メッキ製品への「クラウン」の使用は約50年間に渡り許容されてきましたが、1895年にはアセイオフィスが厳重禁止に踏み切ります。よって1895年以降、多くの銀メッキ製品の商標が変更されることとなりました。



今回ご紹介するレターオープナーは、おそらくその厳重禁止前のお品物。

18世紀からあるシンプルなフォルムに、1895年には銀メッキ製品には禁止された「クラウン」の刻印がみられます。


由来を知れば、更に面白くなるアンティークの世界。

シンプルに格好よく、そしてちょっとほの暗いストーリーをもつ英国アンティークの小品を、是非実用にお役立てください。



◆England

◆推定製造年代:c.1840-1895年頃

◆素材:銀メッキ

◆サイズ:全長約18.6cm 幅約2.4cm 厚み約0.3cm

◆在庫数:1点のみ

◆重量:49g




【NOTE】

*古いお品物ですので、一部に小傷や汚れ、錆びや変色がみられます。

*詳細は画像にてご確認ください。

*刃は触っても手が切れるようなものではありませんが、機能として鋭利な形をしています。お取り扱いには十分ご注意ください。

*画像の備品は付属しません。

*上記ご了承の上、お求めください。 





アイテムのご購入はショップにてどうぞ。

こちらのバナーからご来店いただけます。


Todd Lowrey Antiques

by d+A