英国アンティーク、スターリングシルバーハンドルの拡大鏡。
英国アンティークのひとつの定番、拡大鏡。
機能性を求められつつも、そこには間違いなく作り手と使い手の美意識が感じられ、逸品が数多く存在します。その魅力にとらえられ、一つ持っていても、またひとつ、またひとつ・・・とコレクションする方も多いのではないでしょうか。
レンズを囲むものとして真鍮製、合金製、木のハンドルと金属のコンビネーションなど様々な拡大鏡がありますが、今回はそのなかでも王道ともいえる優雅な銀のハンドルを持つ拡大鏡のご紹介です。
まずはホールマークから確認してみましょう。
凹みや擦れ等があり、なかなかうまく見えないのですが、まずはスターリングシルバーの証、ライオンパサントをすぐに読み取ることが出来ます。アセイオフィスのマークはかすかにのように思えるので、おそらくバーミンガムでしょう。デイトレターは矩形に飾り文字の「S」と読めますので、バーミンガムでこの意匠は1896年。
そして一番左端はメーカーズマークなのですが、既にほぼ消えかけており、メーカーの判別はできませんでした。
そして出色はハンドルのデザイン。初めて見た時、海の生き物のような印象をうけました。まるでタツノオトシゴのような連続した凸部、そしてくるりとしたカールが端部についています。
ヨーロッパでは古来より幸せの象徴、絆と調和の象徴などとして愛されてきたタツノオトシゴ=seahorse/シーホース。
ギリシャ神話では タツノオトシゴは海神ポセイドンのシンボルであり 強さと権威の象徴でもありました。昔のヨーロッパの人々は、タツノオトシゴは亡くなった漁師の魂を運ぶ役目を担っていた、という伝説もあるようです。特殊な形故に、様々な想いを込めて愛されてきたタツノオトシゴは、流麗な形からアールヌーヴォーのモチーフとしても人気がありました。
製作年であろう1896年はまさにアールヌーヴォーの時代。この銀のハンドルは、人気があったタツノオトシゴを象徴的にアレンジして、デザインされたものではないかと思います。
なお、レンズ部分は後年に付け替えられたものであると思われます。金属製のレンズ枠は太いものもありますが、このお品物はごく細いレンズ枠で仕上げられており、繊細で上品な印象を持っています。
全体長さ約14cm強ですので、すこし大きめ。存在感のあるハンドルのデザインと共に、とても印象深い道具としての美しさを放っています。
本物の材が持つ輝きと、時を経たことで風格を増した優雅さを兼ね備えた銀の拡大鏡。
貴方の日々の暮らしに是非加えていただきたい、英国アンティークの確かな佳品です。
◆England
◆Birmingham
◆推定製造年代:c.1892年
◆素材:スターリングシルバー、ガラス、金属
◆サイズ:全長約14.6㎝ 幅約5.1cm 持ち手部分最大幅約2cm
◆レンズ部分直径約5cm
◆重量:41g
◆在庫数:1点のみ
【NOTE】
*古いお品物ですので、一部に微細な傷や汚れ、凹みなどがみられますが、ガラス部分に目立つ傷はなく、とても良い状態です。
*レンズ部分は後年に付け替えられたものと思われます。
*詳細は画像にてご確認ください。
*画像の備品は付属しません。
*上記ご了承の上、お求めください。
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Todd Lowrey Antiques
by d+A