可愛らしい三つ葉のフォルムをした、アンティークのミニチュア・テーブル。
英語には「live in clover 」という言い回しがあります。
豊富な牧草を食べている家畜のように、安心して、豊かにクラスという意味で豊かな収入が約束されえている時に使う場合が多いようです。
実際にクローバーは畑を肥沃にする力があるため、休耕地を埋め尽くすようなクローバーをご覧になられたことがある方も多いのではないでしょうか。
また、三つ葉としての仲間、シャムロック(クローバーやカタバミなど、葉が三つに分かれているものの総称)はアイルランドを象徴する植物。
アイルランドの守護聖人、セント・パトリックは「シャムロックの葉が3つに分かれているのは「三位一体」を表している」と説明し、キリスト教を布教したといわれています。
このように、ヨーロッパにおいて三つ葉のフォルムは、どこか特別な意味をもち、信仰心や豊かさを象徴するものといえるでしょう。
一方で、このテーブルの脚は柔らかな曲線を描いた優雅な形。
日本ではこのような家具の脚を猫脚、と呼びますが、英語ではカブリオレ・レッグとよばれます。
もともとこのような蹄類動物の後脚を表現したゆるいカーブを描いた脚は、古代ギリシアや中国でみることができました。それが洗練された形となって室内装飾に登場したのは、フランス・ロココの時代。フランスのバレエ用語で、踏み切って跳び、両足を打つ仕草をカブリオール/cabrioleといい、
それが語源となっています。優雅で機敏なバレエの動作そのままの、エレガンスを体現したデザインです。
この小さなテーブルの買い付けは英国北部の街。
アンティーク・ディーラーによれば、ジョージアン(1714-1830年)の品物ということでした。
さすがに18世紀、というのはわかりませんが、19世紀以前のお品物であることは間違いがないようです。
ややシルバーがかったゴールドの色味と、緑青の出方から見て、真鍮を主成分とした合金と思われ、ずっしりとした重みはなんともいえない重厚感をもっています。
小さなテーブルは、英国人が大好きな、なにかこまごまとした小さなものを飾るのにとても便利。
こぶりな花瓶を置いてもよいし、そのままでもとても絵になります。
重ねた歳月が金属の質感までも柔らかく変えているようで、アンティークならではの馴染み深さを感じるのも大きな魅力といえるでしょう。
豊かさと、信じる人の心を支えてくれるような、とても珍しい可憐なひと品です。
◆England
◆推定製造年代:c.19世紀以前
◆素材:金属
◆サイズ:直径約11cm 高さ約7.5cm
◆在庫数:1個のみ
【NOTE】
*若干の小傷や汚れなどがみられますが、全体にとてもよいコンディションです。
アイテムのご購入はショップにてどうぞ。
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Todd Lowrey Antiques
by d+A