この上なく美しい、アーツ&クラフツのアンティーク・ポット。
アーツ&クラフツとは、産業革命後の大量生産品に異を唱え、中世の手仕事に帰り、生活と芸術を統一することを主張した運動のこと。
19世紀後半、ウィリアム・モリス等が提唱しはじめ、後にアール・ヌーヴォーの源泉となり、日本の民藝運動にも大きな影響を与えました。
この小さなポットは、そんなアーツ&クラフツの逸品のひとつ。
ちょうどゴブレットのような大きさで、デスクの上の細かいものを整理したり、ペン立てとして丁度良いサイズ感です。
まるで中世の城で使われていたかのようなデザインは、古代ギリシアより生命力の象徴とされるアカンサスの葉、そして4弁のフラワーモチーフが整然と並ぶ美しいもの。
4という数字は4大天使の象徴であり、十字架であり、支配と皇帝の権威の象徴を表しているといい、安定と4分割される季節の象徴ともいわれます。生命への賛歌、そして権威と安定をもとめた中世ヨーロッパの世界観を表しているのかもしれません。
立体的なモチーフの隙間、グラウンドには小さな小さな槌目がうたれ、全体の表情をより深く見せています。要所要所に配された半球のデザイン、アカンサスの合間の細線、ボーダーにくるりと回る黒いラインなど、考え抜かれたデザイン的なまとまりは、造り手の技と相まって、稀にみる完成度へとこのポットをひきあげています。
微妙な光沢差のある仕上げ、しっとりとした銅の色合い。
持ち重りがして安定感のあるクオリティは、他にはない存在感といえるでしょう。
世紀末、英国の金属職人が中世の手仕事に負けじと、腕を振るったであろう、今ここにしかない小さな逸品。
本物の質感と類まれな美意識の結晶を、ぜひお手元でご鑑賞ください。
◆England
◆推定製造年代:c.1900年頃
◆素材:銅、その他
◆サイズ:直径約7cm 高さ約7.2cm
◆在庫数:1個のみ
【NOTE】
*底や内部に若干の小傷や汚れなどがみられますが、全体にとてもよいコンディションです。
アイテムのご購入はショップにてどうぞ。
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Todd Lowrey Antiques
by d+A