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Monday

英国紳士のちいさなスーツ生地工場/Cigaret box of Dougdale Bros & Co at Huddersfield

工場のフォルムをしたアンティーク・シガレットボックス。











Dougdale Bros & Coとは、Henry Percy とFrederick Herbert Dugdaleにより、1896年にHuddersfield で創業された紳士服用生地メーカー。

熟練のデザイナーと織工により、彼らの商品はヨーロッパとアメリカにおいて大層評判となりました。Savile Row のトップテイラーに生地を供給し、世界の中でもトップクラスの生地屋だったといっても過言ではありません。

第一次大戦、そして第二次大戦時には軍服の生地を生産し、様々な局面を迎えましたが、現代でもHuddersfieldに拠点をもち、クオリティの高い生地を販売しています。

このシガレット・ボックスはこのDougdale Bros & Coのノベルティとして生産されたものと思われます。


ご興味ある方は、ぜひ本社のアドレスをグーグル・ストリートビューで見てみてください。このシガレットボックスにそっくりの社屋をみることができます。

住所:
5 Northumberland Street,Huddersfield,West Yorkshire,HD1 1RL,England


工場を模したフォルムは、細部まで再現されていて、煉瓦のひとつひとつや屋根のスレート押さえまでもが細線で表現されています。いっぽうで、これほど忠実に再現しておきながら、背面は一転して薔薇の花籠と鳥のモチーフ。

そして裏面には「THE WHITE ROSE SUITINGS」、そして一部文字が見えにくいですが、「THE HOUSE FOR VALUE」の文字がみられます。

「The White Rose」とは、Dougdale Bros & Coのブランドシリーズ。

現代でも、この名前はコーデュロイなどのシリーズにみることができます。

そのなかでも1911年に発表されたのが「The White Rose Caldonaire」というヨークシャー・ツイードのシリーズ。


想像ではありますが、このシリーズの発表記念に、このシガレットボックスはつくられたのではないでしょうか。数量限定、もっぱら高級テイラーのお得意様向けとして。

鳥とは「なにかを運んでくる」象徴とされ、様々な意味を持ちますが、そのなかでも「期待」を表すとされます。全体のフォルムは宣伝もかねて工場の形とし、背面は「ホワイト・ローズ」ブランドへの期待をこめて「薔薇」と「鳥」を美しく配した・・・。

それほどに、自社の製品への自信と期待をもっていたのでしょう。


英国職人の意地とプライドを背負った、小さなシガレットボックス。

開け閉めするたびに、込められた想いを感じることができる、英国アンティークの逸品です。


◆Huddersfield,England
◆推定製造年:1911年
◆主素材:金属・木
◆サイズ:幅15.3 奥行6.5 高さ8.2cm
◆在庫数:1個のみ


【NOTE】
*古い品物であるため、多少の小傷などがございます。詳細は画像にてご確認ください。

アイテムのご購入はショップにてどうぞ。
下のバナーからお入りいただけます。

http://toddlowrey.com/?pid=105448117


Todd Lowrey Antiques

by d+A