英国アンティーク、マーキング・ゲージ。
当店の密かな人気アイテム、工具。
機能を求めるところから必然的に生まれる形には、有無をいわさない美しさがあります。
今回は「Marking Gauge/マーキング・ゲージ」をご紹介いたします。
日本語で敢えて言えば「毛引き」。
毛引きとは、木材の表面に傍(側)と平行な筋を付けるために用いる工具のこと。
墨を使って印をつけた線には太さがあるため、正確な線を出すために刃物を使うことを毛を引くなどといいます。
日本においては、定規板の中心に毛引刃のついた棹が貫通しているものが一般的です。
今回ご紹介するマーキングゲージには寸法線は無く、とてもシンプルに出来ているもの。
このタイプがヨーロッパでは一般的の様です。
ネジも木製で、そのネジを緩めることによって寸法を調整することが出来ます。
英国の方が使い方をYOUTUBEにアップしていましたので、ご興味のある方はご覧ください。
https://www.youtube.com/watch?v=-7G1Kmfb51Q
このような工具であれば、丈夫なオーク(楢)材が使われてそうですが、このマーキングゲージの材はおそらくマホガニーと思われます。
奥深くから輝く艶感のある杢目はマホガニーならではのもの。
高級材であるマホガニーはオークに比べれば柔らかいのですが、それがかえって手に馴染むような特性となって好まれたのかもしれません。
また、このマーキングゲージには、線を引くためにつけられている釘のような金物も付属しています。
とりあえずは2本付属しており、細く尖ったものと、太く四角い断面で尖っていないものです。
尖ったものを飛び出させて、太いものは栓のような役目とし、しっかり固定させてから引いていたと思われます。
このあたりは消耗品のようなものでしょうから、取り換えながら使っていたことでしょう。
さらに興味深いのは名前がいくつも刻印されていること。
よく見ると、以下の4つの名前が判別できます。
J.VARLEY
W.G.MARTIN
J.JHONSON
J.KERR
自分の工具に自分の名前をいれるのはよくある事と思うのですが、それにしても4つもあるのは何故でしょう?
ひょっとして親方が自分の弟子に工具を譲り、それが4代続いた・・・ということでしょうか?
製作元の名前も混じっている可能性もありますが詳細は不明。
それでも、4人の人々がこのマーキングゲージに関わっていたことは、間違いないような気がいたします。
英国からきた、手に馴染む感触を纏った古い工具。
5人目として参加するのは、貴方かもしれません。
◆England
◆推定製造年代:c.1900-1930年代頃
◆素材:木(おそらくマホガニー)
◆サイズ:全長約22.8cm その他のサイズは画像をご参照ください。
◆重量:137g
◆在庫数:1点のみ
【NOTE】
*古いお品物ですので、一部に小傷や汚れ、変色等がみられます。詳細は画像にてご確認ください。
*画像の備品は付属しません。
*上記ご了承の上、お求めください。
アイテムのご購入はショップにてどうぞ。
こちらのバナーからご来店いただけます。
Todd Lowrey Antiques
by d+A