フランス・アンティーク、ブルターニュ公の紋章をもつピンディッシュ。
オコジョ(フランス語ではHermine/エルミーヌ/エルミン)はフランス・ブルターニュ公の紋章。
14世紀後半からブルターニュ公の紋章の動物となったオコジョにはこんな伝説があります。
アンヌ・ド・ブルターニュ(ブルターニュ女公1488-1514)が狩猟に出かけたとき、真っ白い毛に覆われたオコジョをみかけます。
周りにはオコジョを狩ろうとする男たちがおり、追い込まれたオコジョは、泥沼を渡りながら毛皮を汚すよりも、むしろ正面から立ち向かうことを選んだといいます。
このエピソードは、アンヌ公女のモットー"Potius mori quam foedari"(汚れるよりはむしろ死を)にインスピレーションを与えたとされ、後にブルターニュの紋章となった・・・というもの。
(諸説あります)
そんな紋章が金彩で描かれた小さなピンディッシュをご紹介いたします。
このスペードシェイプのピンディッシュは、ハートシェイプの同柄とセットで手に入れました。
ハートシェイプの方にはオコジョの下に文字がかろうじて残っており、「LANGEAIS」と読むことが出来ました。
同じデザインですので、このスペードシェイプのものも同窯のものであると思われます。
Langeais/ランジェ窯。
フランス、アンドル・エ・ロワール県のロワール川に面した小さな町ランジェで、1839年~1909年まで存在した窯元です。
ロワールとブルターニュは隣接しておりますので、ブルターニュ公の紋章モチーフの陶器がランジェ窯で作られたことは無理のないことと思います。
ランジェ窯の品物はそれほど探すことはできませんでしたが、一般的な食器類の他に少し特殊な造形を用いた花瓶やお皿などが散見できます。
今回ご紹介しているスペードのお皿も、その一種として作られたものと思われます。
目の覚めるような濃紺の地に、金彩で描かれたオコジョは高貴な印象をもち、まさにアンヌ・ド・ブルターニュの高潔さを表しているよう。
独立国家として最後のブルターニュ公であり、2度フランス王妃となったアンヌ・ド・ブルターニュは、フランスにおいて現在でも高い人気を誇っています。
またスペードは「剣」を象徴し、剣から連想される「騎士」を表しています。
一方で「死」を意味し、季節でいえば「冬」を表します。
どんな暗喩かわかりませんが、小さなピンディッシュには様々な意味が込められていそうです。
アンヌ・ド・ブルターニュの生涯へ想いを馳せながら、お傍に飾ってみるのはいかがでしょうか。
◆France
◆推定製造年代:c.1839-1914年頃
◆素材:陶器
◆サイズ:幅約12.2cm 奥行き約13.3cm 厚み約2cm
◆重量:121g
◆在庫数:1点のみ
【NOTE】
*古いお品物ですので、一部に小傷や汚れ、金彩の剥げ等がみられます。
*カケやヒビは見当たりません。詳細は画像にてご確認ください。
*画像の備品は付属しません。
*上記ご了承の上、お求めください。
アイテムのご購入はショップにてどうぞ。
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Todd Lowrey Antiques
by d+A