英国アンティーク、ブックエンド。
少し興味深いモチーフのブックエンドを手に入れました。
2つペアのブックエンド、片方には古い建物が描かれており、看板に以下の文字がみられます。
Ye Olde Fighting Cock Taven
これは、イングランド、ハートフォードシャー、セント・オールバンズに現存するパブのこと。英国で最も古いパブのうちのひとつと言われています。
Ye Olde Fighting Cock Taven オフィシャルサイト(英語版)ヒストリー頁
https://www.yeoldefightingcocks.co.uk/history
ちなみに英国で「最も古いパブ」と名乗りを上げているのは少なくとも五軒(もっとあるかもしれませんが)。
Ye Olde Trip to Jerusalem/ノッティンガム/1189年
Ye Olde Fighting Cocks/セント・オールバンズ/8世紀
The Porch House/ストウ=オン=ザ=ウォルド/947年
The Bingley Arms/リーズ/905年
The Old Ferryboat Inn/ケンブリッジシャー/560年
それぞれ、その時期に建物があった、「イン(宿泊施設)」として営業しだしたのは最初、移転したけどオリジナルは古いよ、等々、各々の主張は様々で、現在も決着をみてはいないと思われます。
ミルクが先か、紅茶が先か・・・と同じように、英国人の間では、いつまででも論争をしていたいテーマのひとつなのではないでしょうか。
もう片方には、路地を歩く二人の紳士の姿と、その部分の通り名らしき看板がみえます。
残念ながら看板の文字は、私には読むことができませんでした。
片方が古いパブですので、もう片方はやはり古くて名所的な路地・・・もしくは同じ小説などで一緒に登場する場所なのかもしれません。
作りはシンプルで、合板の上に絵の紙を貼り、そこに何らかの塗料を塗る。輪郭線など強調したい部分を彫り込んで少し表情をつける。
土台となる部分は金属で、釘で合板に打ち付け、底に紙を貼って出来上がり・・・という感じかと思います。
合板というと近代のもの、と思われる方も多いと思いますが、合板の歴史は古代エジプトまで遡るといわれています。
日本で機械化された設備で合板が量産できるようになったのは明治40年(1904年)ですが、手作業による合板の製作は遥か昔から行われてきました。
英国でももちろんそうで、ヴィクトリア時代の家具などをみると、マホガニーらしき薄い材を合板にし、さらにマホガニーの化粧仕上げをしているものをみることがあります。
無垢材はひび割れや反りを起こすリスクが伴いますので、合板+化粧材はむしろ高級仕上げだったのではないかと思います。(もちろん、粗悪な材を合わせた物に、限りなく薄い化粧材を貼った廉価な合板は別です)
今回のブックエンドは、作りなどからして19世紀後半の品物であると推測いたします。
金属部分を持って木の部分に力をいれるとわずかにカタつきますが、それでも十分実用にはお使いいただけると思います。
英国の古い場所をモチーフにした、素朴な味わい溢れるブックエンド。
そのブックエンドをデスクトップに設え、パブの歴史を紐解きながら、「最も古いパブ論争」への参戦を模索するのも一興かもしれません。
◆England
◆推定製造年代:c.19世紀後半
◆素材:木・金属・紙
◆1個あたりのサイズ:幅約12cm 奥行き約11cm 高さ約14cm
◆総重量:328g
◆在庫数:1セットのみ
【NOTE】
*古いお品物ですので、一部に小傷や汚れ、欠けや破れ、変色等がみられます。詳細は画像にてご確認ください。
*画像の備品は付属しません。
*上記ご了承の上、お求めください。
アイテムのご購入はショップにてどうぞ。
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Todd Lowrey Antiques
by d+A