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Friday

封蝋をするためのヴィクトリアンのツール/ Antique Victorian Ebony Handle Sealing Stamp

 英国アンティーク、シーリングスタンプ。













シールングスタンプとは手紙などの封蝋をするための道具のこと。


熱で溶かした封蝋にスタンプで署名を刻印する際や、契約書などの署名の一部として使っていました。


かつては日本の印鑑のように非常にオフィシャルなものでしたが、時代が下がるにしたがってもう少し気軽に使うものとなってきたように思います。個人を特定するという意味で、基本的には本人のイニシアルを元とした2文字もしくは3文字のモノグラムがあしらわれてきましたが、近年では1文字のみのものも使われています。



さて、今回ご紹介する英国で手に入れたシーリングスタンプは、印面に3文字のモノグラムがあしらわれたお品物。文字「SとLとP」かと思われます。印面を左右反転した画像も載せましたのでご参考になさってください。封蝋はネットや大手雑貨店文具店で手に入れることが出来ます。



持ち手は「Ebony/エボニー/黒檀」。ヨーロッパで自生しない黒檀は、とても珍重された材のひとつです。硬く重く黒く、大きなものでは家具類や、小さな物ではデスク周りや化粧台小物などに使われてきた高級材。黒檀風の塗装(エボナイズド)の品物も沢山ありますが、良い物はやはり本物の黒檀を使っています。小さめながらもずっしり重く、凝った挽き物細工のハンドルはきめが細かく滑らかで、高級材ならではの質感をお愉しみいただけます。



また、印面部分は真鍮製となっています。時代的にはおそらく19世紀後半、ヴィクトリア時代のものと推測いたします。



日本人の本名で「SとLとP」のイニシャルの方は恐らくいらっしゃらないかとは思いますが、「S」だけでも合えば「LOVE」と「PEACE」もしくは「LUCKEY」と「POWER」などと組み合わせて考えるのも楽しいかもしれません。もちろん違うイニシアルの方も、古き良き文房具コレクションの一端として愛していただけることと思います。



実際に作業してみると、ワックスを溶かし、紙面に落とし固まらないうちにスタンプをぎゅっと押す行為は、少々コツが必要でなかなか手がかかります。それだけ重要な行為であったと納得しつつ、当時の作業を体験できる興味深さはなかなか得難いもの。



エボニーハンドルの手触りと共に、英国ヴィクトリアンの追体験をお愉しみください。




◆England

◆推定製造年代:c.1870-1890年代頃

◆素材:真鍮・エボニー(黒檀)

◆サイズ:長さ約10cm 直径約3.1m  シール面直径約1.7cm

◆重量:64g

◆在庫数:1点のみ



【NOTE】

*古いお品物ですので、一部に小傷や汚れ、変色がみられます。詳細は画像にてご確認ください。

*画像の備品は付属しません。

*上記ご了承の上、お求めください。


アイテムのご購入はショップにてどうぞ。

こちらのバナーからご来店いただけます。




Todd Lowrey Antiques

by d+A


控えめで丁寧な銀細工/ Antique Silver Handle Magnifying Glass 1915

 英国アンティーク、シルバーハンドルの拡大鏡。















英国アンティークのひとつの定番、拡大鏡。


機能性を求められつつも、そこには間違いなく作り手と使い手の美意識が感じられ、逸品が数多く存在します。その魅力にとらえられ、一つ持っていても、またひとつ、またひとつ・・・とコレクションする方も多いのではないでしょうか。

レンズを囲むものとして真鍮製、合金製、木のハンドルと金属のコンビネーションなど、様々な拡大鏡がありますが、今回はそのなかでも王道ともいえる優雅な銀のハンドルを持つ拡大鏡のご紹介です。



ふっくらとした柔らかい曲線が魅力的なハンドルは、その優美な曲線を際立たせるように、クロスしたリボンと小花のボーダーで丁寧に縁取られています。華美になりすぎず、でもどこか華やかな印象をもつのは細工がとても丁寧にされているから。


さて、英国アンティークシルバーの印、ホールマークを見てみましょう。

バーミンガムのアセイオフィスの印、錨のマーク。スターリングシルバーの証、ライオンパサント。デイトレターはシールドに小文字の「q」で、バーミンガムにおいてこの1915年のデイトレターとなります。メーカーズマークは「H M」。それぞれが矩形に囲まれたような配置が特徴です。よってメーカーは「Henry Matthews/ヘンリー・マシューズ」となります。


ヘンリー・マシューズはバーミンガムのジュエリー・クォーターの中心部「Vittoria Stree/ビトリアストリート」tを拠点としたシルバースミスで、1894年に登録され、細部にまで注意を払って作られた小さな銀製品で知られています。シガレットケース、フレーム、帽子ピン、カードケースなどの銀小物を製造したいたようですが、1930年には生産を終えているようです。



なお、レンズ部分は後年に付け替えられたものであると思われます。英国アンティークの拡大鏡は、このようにハンドルは活かしながらレンズ部分が付け替えられているものが多くあります。金属製のレンズ枠は太いものもありますが、このお品物はごく細いレンズ枠で仕上げられています。



全体長さ約13cm強でやや大きめ、レンズ部分は直径約4cmですので視野が広く、実用に十分ご使用いただけます。


控えめな華やかさと丁寧な細工。英国の好ましさを凝縮したような小さなアンティークアイテムを、ぜひお手元でお役立てください。




◆England
◆Birmingham
◆Henry Matthews
◆推定製造年代:c.1915年
◆素材:スターリングシルバー、ガラス、金属
◆サイズ:全長約13.3㎝ レンズ部分直径約5cm ハンドル厚み約0.9cm
◆重量:36g
◆在庫数:1点のみ


【NOTE】
*古いお品物ですので、一部に微細な傷や汚れ、へこみ、変色等がみられます。
*レンズ部分は後年に付け替えられたものと思われます。
*詳細は画像にてご確認ください。
*画像の備品は付属しません。
*上記ご了承の上、お求めください。







アイテムのご購入はショップにてどうぞ。
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Todd Lowrey Antiques
by d+A

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端正な銀を掲げる飴色/ Antique Walking Stick with Malacca Cane & Sterling Silver 1915

 英国アンティーク、最高級素材マラッカ藤とスターリングシルバーのステッキ。
















英国では昔から高級ステッキの定番素材だったという「象牙のグリップにマラッカ藤のシャフト」。


それは、大航海時代に端を発し、世界中から素晴らしい品物を集めていた英国ならではの、贅沢な組み合わせといえます。現在では象牙を取り扱うことはかなりハードルが高くなりましたが、マラッカ藤(マラッカケイン)であれば、その当時そのままの使い心地を体感することが可能。この材は、マレーシア、マライ半島西岸のマラッカ海峡に面した港湾都市から出荷される周辺地域特産の藤の茎のことです。


もともとの材に斑(フラワー)が入っており、使えば使うほどそれが濃くなり、全体に艶がでてきて、しっとりと飴色になるのが特徴。その艶具合や斑などは個体差があり、その表情を愉しむのがマラッカケイン愛好者の愉しみであるといっても過言ではありません。軽く丈夫で表情豊か、そしてエイジングもたのしめるマラッカケインは、杖はもちろん、傘の柄にも使われており、現代においても英国紳士が大好きな素材。英国王室御用達、老舗の傘メーカーFOXも、傘の柄の定番素材としてマラッカ藤を取り揃えています。



今回ご紹介するステッキは、シャフトがそのマラッカ藤、そしてグリップがスターリングシルバーでできている逸品。


飴色でところどころに味わい深い斑がまるで絵画のように現れており、自然の奥深さを感じさせます。断面が円形ではなく、一部がとがった(大げさに言えば雫状)形であることも、マラッカ藤の特徴。先端は英国買い付け当時からゴムキャップがついておりましたので、このままのご紹介とさせていただきます。


グリップ部分は潔いほどシンプルな円錐形。若干の凹みやアタリなどはあるものの、まだまだ端正な美しさを感じさせます。



さて、英国アンティークシルバーの印、ホールマークを見てみましょう。


まず左端はメーカーズマーク。次にスターリングシルバーの証、ライオンパサント。次はロンドンの豹。右端がデイトレターで、だいぶ潰れてはおりますが、シールドに小文字の「u」かと思いますので、1915年と推測いたします。


メーカーズマークは非常に読みにくいのですが「A H R」かもしれません。そうだとすると、ロンドンで「A H R」は「Alfred Henry Read」となります。CoventryのHill Streetに拠点があったシルバースミスで、1883年にロンドンのアセイオフィスに登録を済ませています。1871年に設立され、20世紀まで存続しましたが、第一次世界大戦を生き延びることができませんでした。主として懐中時計の銀のケースなどを作っていたようです。



長い歳月を経てきた飴色の杖。

品格溢れるその姿は凛として、泰然とした英国紳士を思わせます。


これからは、貴方のお傍に。

いつまでも品格を持ち歩き続ける一助としていただければ幸いです。





◆England

◆London

◆推定製造年代:c.1915年

◆素材:マラッカ藤、スターリングシルバー、他

◆サイズ:全体長さ87.5cm グリップ直径約3.6cm

◆重量:約227g

◆在庫数:1点のみ



【NOTE】

*古いお品物ですので、一部に小傷や汚れ、へこみ、歪みや変色がみられます。詳細は画像にてご確認ください。

*シャフトはしっかりとしています。体重をかけてもほとんどしなりません。

*石突き部分のゴムキャップは英国買い付け当時のままです。このままご使用いただけると思います。

*画像の備品は付属しません。

*上記ご了承の上、お求めください。





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Todd Lowrey Antiques

by d+A


ノッティンガムのタック修道士/ Vintage Royal Doulton "FRIAR TUCK BUNNYKINS"

 ロイヤルドルトン社製、バニキンズ・シリーズよりタック修道士・バニキンズ。















ローブに身を包み、十字架を掛けたバニキンズ。手元には聖書が、そして頭頂部は独特の形に剃られています。タイトルは「FRIAR TUCK/タック修道士」。



製作は1815年設立のRoyal Doulton/ロイヤルドルトン。創業者はジョン・ドルトン/John Doultonのほか、マーサ・ジョーンズ/Martha Jonesとジョン・ワッツ/John Wattsの3人でしたが、1853年に社名は「Doulton」となります。


はじめはストーン・ウェアを生産する小さな工場でしたが、2代目のHenry Doulton/ヘンリー・ドルトンの代に蒸気機関を取り入れるなど積極的に事業を拡大、大成功をおさめます。


その後1882年にスタッフォードシャー、ストークオントレントのBurslem/バースレムを生産拠点と定め、ここが現在も続くロイヤル・ドルトンの本社となっています。またヘンリー・ドルトンは陶磁器業界で初となる「ナイト」の称号を与えられ、1901年にはエドワード7世から王室御用達の栄誉を受け、ここで「ロイヤル・ドルトン」と名乗ることを許されたのです。


ロイヤルドルトンの特徴は、滑らかな肌のボーン・チャイナと、意匠の芸術性。実際に使われる食器はもちろん、装飾的でコレクタブルな食器、人形などのフィギュアも美しく完成度の高いものが多く、さすが世界的に有名な、英国を代表する陶磁器メーカーであるといえるでしょう。


また、Bunnykins/バニキンズとは、1930年代から続いているロイヤル・ドルトンのうさぎキャラクターのこと。現在では子供向けの食器がメインで、バニキンズ・シリーズとしてお皿やマグカップが販売されています。ただ、フィギュア(陶器製人形)は、現在はロイヤルドルトンからは製造・販売はされていないようです。



バニキンズのもともとの始まりは1934年、テーブルウェアから始まりました。陶器製の人形の始まりは1939年。きっと、テーブルウェアの評判がよかったからだと思われます。


英国の絵本作家、Mary Barbara Baileyによるウサギのイラストをモデルに、Charles John Nokeが立体としてモデリングしたのが、初代、6デザインのバニキンズ・・・陶器製のウサギの人形でした。(ちなみにこの6デザインのバニキンズは、現在市場に出ると驚くほどの高額で取引されています)



その後、世界は第二次大戦へ突入し、ロイヤルドルトンは陶器製人形の生産を中止。1969年にBeswick Pottery を買収後、1972年から再度シリーズとして製造を始めたのです。


クリケットをしているチームだったり、ロビン・フッドだったり、チューダー朝のコスチュームを着ていたりと、テーマは様々ですが、すべて「ウサギ」。基本的にある一定期間しか製造・販売していないため、販売終了となれば市場にでたものを探すしかありません。また、ファンクラブ限定商品であったり、特定の団体や組織などのために製作されたものもあり、レア度も様々。それによって価格も異なります。




今回ご紹介するタック修道士・バニキンズは、2000年にリリースされたもの。(発売期間は2001年から2004年)



底面には、ロイヤルドルトンのバックスタンプの他に以下の文字がみられます。


HAND MADE AND HAND DECORATED

BUNNYKINS

by ROYAL DOULTON

FRIAR TUCK BUNNYKINS

THE ROBIN HOOD COLLECTION

DB246


MADE IN ENGLAND

2000 ROYAL DOULTON



つまり、この「ロビンフッド・バニキンズ」は、「ロビンフッドコレクション」のうちの一体の「タック修道士」。ロビンフッドコレクションは計8体で構成されていました。(DBはロイヤルドルトンのデザインナンバーです)


Robin Hood/ロビンフッド/DB244

Friar Tuck/タック修道士/DB246

Prince John/プリンスジョン/DB266

Maid Marion/乙女マリアン/DB245

Little John/リトル・ジョン/DB243

Sheriff of Nottingham/ノッティンガムの代官/DB265

King Richard/キングリチャード/DB258

Will Scarlett/ウィル・スカーレット/DB264



「ロビンフッド/Robin Hood」といえば、中世イングランドの伝説上の人物。はっきりした起源は不明で、何人かの人物にまつわる伝承が合わさって形成された可能性が高いといわれています。14世紀頃から詩等に登場しますが、16世紀以降は、リチャード1世獅子心王時代の人物となり、リチャード1世が十字軍遠征に赴いている間に、ジョン王(リチャード1世の弟)の暴政に反抗した人物として描かれるようになりました。設定としてはノッティンガムのシャーウッドの森に住むとされており、ひどい代官のもと苦しむ民を救うべく仲間と共に活躍する義賊。


当店ではロビンフッド、相棒のリトルジョンや、キングリチャード、そしてノッティンガムの代官を取り扱ってきましたが、タック修道士は初めてのご紹介となります。


ノッティンガムにある教会の神父でロビン・フッドの仲間であるタック修道士。エールをこよなく愛し、大柄で怪力の持ち主とされ、ロビンフッドが集めてくるお宝を庶民に配る役割も果たしています。伝説上の人物なので本来の姿というものはありませんが、基本はローブを纏い、十字架を下げ、頭髪はトンスラとなっているのがタック修道士のお約束。このトンスラというのは、鉢巻をしたような形に頭髪を残し、それ以外の頭頂部および側頭部から後頭部にかけてを剃る髪型のこと。長髪が男性の象徴とされていた中世初期に、トンスラは俗世と決別した聖職者のアイデンティティの一部として普及していたとされます。


うさぎの髪型・・・というのも変ですが、タック修道士を表現するのには欠かせないものであったため、耳の間に無理やりのっけたようになっているのがなんとも可愛らしいバニキンズとなっております。



庶民が愛した義賊ロビンフッド、そしてタック修道士。英国の伝説から飛び出した小さなウサギは、慈愛に満ちたつぶらな瞳で庶民を見守ってくれているよう。貴方のお傍において、中世イングランドの空気を感じてください。



◆England

◆Royal Doulton

◆製造年代:2000年

◆素材:陶器

◆サイズ:高さ約11.5cm

◆重量:91g

◆在庫数:1点のみ



【NOTE】

*古いお品物ですが、欠けやヒビは見当たりません。

*底面にわずかに汚れがございます。詳細は画像にてご確認ください。

*画像の備品は付属しません。

*上記ご了承の上、お求めください。




アイテムのご購入はショップにてどうぞ。

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Todd Lowrey Antiques

by d+A