英国アンティーク、ミニチュアシュバルミラー。
「シュバルミラー/Cheval Mirror」、ご存じでしょうか。
それは、全身を映すことの出来る自立式の鏡のこと。「シュバルグラス/Cheval Glass」とも呼ばれます。名前の由来はフランス語の[Cheval=馬]から。土台となる脚の形が馬の様に見えることから名づけられました。
基本的には土台の間に貫が入り、立ち上がる支柱にswivel screw(猿環ねじ)で細長いミラーを留め、ミラーを傾けて全身が見えるような構造がシュバルミラーと呼ばれています。このような形のミラーは英国では1700年代から寝室、もしくはドレッシングルームでドレッシングミラーとして使われ始めたといわれています。
18世紀の終わりごろにはシュバルミラーは大変人気となり、家具デザイナー達は意匠を凝らして様々なシュバルミラーを生み出しました。チッペンデールスタイルをはじめ様々なデザインがあり、英国アンティーク家具では一つの定番となっています。
前段が長くなりました。
今回ご紹介するのは、そのシュバルミラー、しかもミニチュアです。
手に入れたのは英国の大きなアンティークフェア。屋根付きの場所、元気なお兄さん達が営むストールでした。
高さ25cm弱という大きさながら、ドームトップのミラーは線象嵌が施されており、挽き物の支柱と貫は美しく、ミラーを傾ける機構も備えています。材は銘木ローズウッド。ミニチュア好きとしては見逃せません。いつの間にやら手に入れておりました。
ミニチュア家具は本物の家具を作る前の試作品(APPRENTICE PIECE/アプレンティス・ピース)として作られることがありますが、今回のシュバルミラーは、違うような気がします。その理由としては大きなミラーの重量はすごいので、この華奢な構造では大きくなった時にとてももたないような気がするからです。恐らくこのままの大きさでドレッシングミラーや飾り用として作られたのかもしれません。
よくよく見れば、足部分はネジを中心に回る仕組みですので、平らな状態としておくことが可能です。ただ、あまり頻繁にくるくる回してしまうとネジ穴が広がってしまいそうですので、おりたたみは最低限としたほうが良いかと思います。そしてトップに吊り輪がありますので、ひょっとしてたたんで壁に掛けることを想定していたのかな、とも思います。
また、古い鏡の常として鏡内部に錆や曇りが若干みられます。鏡はガラスの背面に薄く銀を塗ることで作られるものです。これは昔から現代でも変わりませんが、昔のものはその後の処理方法やガラスの均質さなどの問題から、錆やクモリがでることが多くあります。古い鏡の持つ特性としてご了承をお願いいたします。
例えば、本物のドレッシングチェストの上に、サブミラーとしてミニチュアのシュバルミラーを置く。実用としてはもちろん、インテリアの演出としても、とてもお洒落で喜ばれたのではないでしょうか。作られた年代は、19世紀後半ヴィクトリア時代と推測いたします。
貴方のお部屋に小さなシュバルミラーはいかがでしょう。
仔馬のような足に乗った美しい小さなミラーは、深い杢目のローズウッドで縁取られ、長い歳月を映し出してきました。
これからは、貴方の歳月をその中に。ヴィクトリアンの英国から届いたアンティークの佳品を是非ご堪能ください。
◆England
◆推定製造年代:c.19世紀後半
◆素材:木(ローズウッド)、ガラス、他
◆サイズ:高さ約24.4cm 幅約14cm 厚み約11.1cm
◆折りたたみ時サイズ:幅約23.6×24.4 厚み約1.5cm
◆重量:242g
◆在庫数:1点のみ
【NOTE】
*古いお品物ですので、一部に小傷や汚れ、アタリや補修跡、錆びや変色などがみられます。
*ミラーには若干の錆とクモリがみられます。ガラスの裏面ですので拭いてもとれません。
*折りたたみ時に脚を回転させますが、やりすぎるとネジが甘くなる可能性がありますので最低限の使用をおすすめします。
*トップに吊り輪がございますが、強度的に吊るすことはおすすめできません。
*ご注文時にはフラットにした状態で梱包・発送いたします。
*詳細は画像にてご確認ください。
*画像の備品は付属しません。
*上記ご了承の上、お求めください。
アイテムのご購入はショップにてどうぞ。
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Todd Lowrey Antiques
by d+A