オーストリアヴィンテージ、ヴィエナブロンズの猫。
当店で何度かご紹介している「Vienna Bronze/ヴィエナブロンズ」。
その歴史は19世紀中頃から始まり、現在に至るまで高級品として高く評価されており、展示や蒐集を目的とした貴族や富裕層に向けて販売されてきました。サイズは、小さな1インチのミニチュアからテーブルランプやセンターピースと同じくらいの大きさまで様々です。モチーフは、漫画や風刺画を題材としたものや、実物そっくりにありのままの姿を詳細に表現したミニチュア化された人物や動物もあれば、エロティシズムを表現したもの、擬人化されたペットや森林動物なども多く、特に猫、カエル、犬の作品はウィーンの名物となっています。
1つのブロンズのフィギュアは、多くの場合「砂の鋳造/sand casting」と呼ばれる方法によってパーツごとに鋳造され、それらを溶接して一体化、毛並みや顔立ち等を彫刻し、髭など細部まで手を加えて、画家に引き渡されます。
その一連のプロセスには、多大な労力と高度に熟練した職人の技術が必要とされ、特にコールドペイントによる着色作業は、重要な要素となる表面仕上げとなり、全てが手作業によって、テクスチャーが与えられ、細部に至るまでシャープに整えられます。コールドペイントは、当初は鉛ベースの塗料で行われていましたが、健康上のリスクがあるため、20世紀の変わり目には、油性顔料のエナメル塗料が使われています。
今回ご紹介するのは、そのヴィエナブロンズでできた猫。
出色はその大きさ。何と身長が10cmを超えております・・・。
ヴィエナブロンズは小さなものが多いなかで、このサイズはまさに異例。重さはなんと300g近くもあり、ブロンズ彫刻としての存在をリアルに感じることができます。
モチーフはラッパを吹くタビーキャット。しっかりと後ろ足で立ち上がり、尻尾でバランスをとりにあがら、前足で上手にラッパを吹いております。
ネズミを引き連れて退治する、ということからもどこか猫とつながる「ハーメルンの笛吹き男」。その伝説のエッセンスを引き継いだかのようなラッパを吹く猫は、やや怖いような表情で、これから始まる悲喜劇を連想させ、ダークな歴史劇の開幕を告げているようでもあります。そしてこんなふうに感じることのできる描写を実現したのは、このサイズだからと言ってよいかもしれません。
猫を愛し、ヨーロッパの歴史と伝説を愛する方にお届けしたい傑作小品です。
◆Austria(Wien)
◆推定製造年代:c.1960-70年代頃
◆素材:ブロンズ
◆サイズ:高さ約10.6cm
◆重量:295g
◆在庫数:1点のみ
【NOTE】
*古いお品物ですので、一部に小傷や汚れ、変色、塗装の剥げ等がみられます。詳細は画像にてご確認ください。
*お子様のおもちゃとしてはお勧めできません。
*平滑面できちんと自立します。
*画像の備品は付属しません。
*上記ご了承の上、お求めください。
アイテムのご購入はショップにてどうぞ。
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Todd Lowrey Antiques
by d+A