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Wednesday

19世紀のダイハードを受け継ぐ印/ Antique Cap Badge of Middlesex Regiment

英国アンティーク、ミドルセックス連隊のキャップバッジ。











まず、「ミドルセックス/Middlesex」とは、1965年まで存在したイングランドのカウンティ(州)のこと。
現在はほとんどがグレーターロンドンに吸収され、残りがサリー州やハートフォード州へと編入されました。



そして、ミドルセックス連隊とはロンドンを含む地域を主に活動していた軍隊のこと。
1881年結成で、結成当時連隊の称号は「Duke of Cambridge's Own/ケンブリッジ公爵所有」でした。
このころから、プリンスオブウェールズの紋章を使うことを許されており、1921年には連隊の称号が「The Middlesex Regiment(Duke of Cambridge's Own)」に変更。
大戦を経て、1966年には連隊の再編成のために「The Middlesex Regiment/ミドルセックス連隊」の名称はなくなることとなります。

また、ミドルセックス連隊は1775年設立の第57歩兵連隊からニックネーム「ダイハード」を継承していたことでも有名。

このニックネームは1811年の半島戦争、アルブエラの戦いに遡ります。

1811年5月16日のアルブエラの戦いで、第57歩兵連隊のウィリアム・イングリス大佐がフランス軍のぶどう弾で負傷。
彼は後方へ運ばれるのを拒否し連隊旗の下に横たわり、戦いが終わるまで「Die hard 57th, die hard!/ 57連隊、頑張りぬけ」と繰り返したといわれます。
この後、第57歩兵連隊には「ダイ・ハード連隊/Die-Hards」の愛称がつきました。


以上のことから、ミドルセックス連隊の紋章は、プリンスオブウェールズの羽(モットーは「Ich dien/私は仕える」)、そして彼らの誇りである
「ALBUHERA/アルブエラ」が刻まれたものとなっています。



前段が長くなりました。

今回ご紹介するには、そのミドルセックス連隊のキャップバッジです。
人気がある連隊なので、リプロダクションも多いかとは思いますが、経年変化の具合からしてオリジナルなのではないかと思われます。
金色と銀色の2色使いで、プリンスオブウェールズの羽と連隊名がリボンで刻まれた、格調の高さを感じさせるデザイン。


ブローチやピンズのように、どこでもとめられる訳ではなく、ボタンホール状や紐状の部位に挟み込んでとめるものです。
帽子のリボンや、ジャケットのフラワーホールなどがよろしいかと思います。
もちろんジャケットの胸ポケットにも最適。金具が少し曲がっているので、意外としっかりととまります。



古い歴史と伝統をもつ、今は無き連隊の紋章。
さりげなく身に纏い、歴史の一端を味わいつつ過ごしてはいかがでしょうか。




◆England
◆推定製造年代:c.1921-1965年
◆素材:金属
◆サイズ:幅約4.7cm 高さ約4.3cm
◆重量:13g
◆在庫数:1点のみ


【NOTE】
*古いお品物ですので、一部に小傷や汚れ、変色がみられます。詳細は画像にてご確認ください。
*背面の金具をボタンホール状や紐状の部位に挟み込んでとめるものです。ブローチではございません。
*画像の備品は付属しません。
*上記ご了承の上、お求めください。




アイテムのご購入はショップにてどうぞ。
こちらのバナーからご来店いただけます。



Todd Lowrey Antiques
by d+A