筆記具において、あまりにも有名なパーカー。
でも、パーカーってアメリカの会社、それとも英国の会社?
ちょっと迷われる方は多いのではないでしょうか。
以下、ざっとパーカー社の概略をご説明いたしましょう。
1888年、ジョージ・サフォード・パーカー氏がアメリカ、ウィスコンシン州のジェーンズヴィルにて創業したパーカー社。
創業者のパーカー氏は電信技師の副業として万年筆のセールスや修理をしているうちに、自分で性能の良い万年筆を作りたくなり、創業にいたります。
1921年、パーカーの代名詞でもある万年筆「デュオフォールド」を発売。
太平洋戦争終結時にマッカーサー元帥が、この「デュオフォールド」で契約書に署名したことはあまりにも有名。
1954年にパーカーとしては初めてのボールペン「ジョッター」を発売。
1987年、英国資本が入ったことにより本部をイングランド、イーストサセックス州のニューヘイブンに移転。ここから英国の会社となります。
1993年にはP&G社の傘下ジレット社に、そして2000年にはアメリカのサンフォード社に買収され、再びアメリカの会社となります。
2009年にはアメリカと英国の工場が閉鎖され、現在での主力工場はフランスとなっています。
ちなみに、1962年に英国王室ご用達の印「ロイヤル・ワラント」をとっており、現在においてもそれに変わりはありません。
さて、今回ご紹介するのはパーカーの万年筆、1980年発売開始の「パーカー15」です。
本体には以下の文字がみられます。
MADE IN UK IIU PARKER
パーカーは1979年以降、ペン本体にデイトコードをつけており、それを読むことで製造年代を特定することができます。
ちなみに「IIU 」は1991年となります。
1991年といえば、パーカーが英国の会社となり、その後P&G社の傘下ジレット社に買収されるまでの間の期間となります。
当店で扱っている1981年のパーカー・ボールペンが「MADE IN ENGLAND」表示ですので、なにか表示に何かこだわりがあるのかもしれません。
さて、「パーカー15」とはどんな万年筆なのでしょうか。
まず、1979年秋、パーカーフランス工場によって製造された「ミクシー」という学生向けモデルが発売されました。
廉価版ということもあり大変な人気となり、1980年には英国においてデザインを1960年発売の「パーカー45」にやや寄せて、「パーカー15」として発売が開始されました。
定番のボールペン「ジョッター」シリーズとは、ステンレス製キャップと矢羽型クリップといった共通項の多さから、「ジョッター15」とも呼ばれていたようです。
学生向け「ミクシー」がもととなっているということもあり、本体は樹脂製。
正直、重厚感はございません。ただその分軽く、全体重量僅か11g。長さも短めで、小ぶりな印象です。
キャップ部分がステンレスですので、全体としてはきっちりした品格は十分保っているのではないかと思います。
ブラックとシルバーのキリリとしたツートーン。
サラサラとした柔らかい書き味を楽しむことができます。サイズはやや太め(中字)くらいかと思います。
実は近年になり、ジョッターの万年筆が発売されました。
ボディはステンレススチールとなり、高級感あふれる仕上げ。
ただ、その分重量約16gと若干重く、長さ(収納時)は12.9cmと少し長くなっています。
それと比べれば、「パーカー15(ジョッター15)」はどこか素朴。
そしてどこか懐かしく、愛すべきアナログさを持っているような気がいたします。
英国製の渋く素朴なパーカー15。
ぜひお手元でご愛用ください。
◆England
◆推定製造年代:c.1991年
◆素材:ステンレス・樹脂・他
◆サイズ(収納時):全長約12.3cm
◆重量:11g
◆在庫数:1点のみ
【NOTE】
*古いお品物ですので、一部に小傷がみられます。詳細は画像にてご確認ください。
*内部のインクはパーカー純正品の新品、ブラックとなります。
*画像の備品は付属しません。
*上記ご了承の上、お求めください。
アイテムのご購入はショップにてどうぞ。
こちらのバナーからご来店いただけます。
Todd Lowrey Antiques
by d+A