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Saturday

耽美なソーイングマシンを堪能する / Antique Hand Crank Vibrating Shuttle Sewing machine by Frister & Rossmann

 ドイツアンティーク、手回しミシン。


































ミシン。


誰でも知っている言葉ですね。英語では「Sewing Machine/ソーイングマシーン」。


では「ミシン」という言葉は何処からきているのでしょうか。


日本人通訳が「マシン」を少し訛って「ミシン」と発音しそれが定着した。外国人が「Machine/マシン」と発音したとき、日本人には「ミシン」と聞こえた為、いつしか「ミシン」になった。・・・などという説があるようです。


つまり、一般の人々の身近にある「機械/マシーン」の始まりがすなわち「ミシン」であった、という事なのではないかと思います。


ミシンの始まりは1790年に英国の家具製造業者であったトーマス・セントがミシンの構造原理を発明し特許をとったこととされています。ただ、実用的にはならず、その後、英国やドイツ、フランスなどで独自の開発が行われましたが、一歩先を進んでいたのはアメリカでした。数名のアメリカ人により本縫いの機能、ボビンケースや布送りなど、様様な機能が考案されていきますが、商業ベースに乗せるのはなかなか難しかったようです。


そして初めて商業ベースに乗せることに成功したのは、シンガー社の創始者、アイザック・メリット・シンガーでした。1851年に実用ミシンの特許をとり、その後世界へ進出。現在でもミシンのトップブランドとして世界中の人々が使っているのはご存じのとおりです。


さて、今回ご紹介するのはそのシンガー社のものではなく、ドイツの古い「ソーイングマシーン」=「ミシン」です。メーカーは「Frister & Rossmann/フリスター&ロスマン」。

1864年にベルリンでGustav Rossmann/グスタフ・ロスマンとRobert Frister/ロバート・フリスターによって設立されたフリスター&ロスマン。1880年代には、ヨーロッパ各地やオーストラリア等のさまざまな国際博覧会で賞を受賞し、1902年までにはドイツ最大のミシン製造業者となります。第一次大戦中は他の多くの製造企業と同様に、工場をドイツ軍向けの武器製造に転換。戦後、同社はミシンの製造に戻り、1920年には再び世界中にミシンを輸出し始めますが、1929年には解散することとなります。1945年にブランド名は英国の企業に売却されました。


そんな歴史をもつフリスター&ロスマン社のミシン。


ケースはウォールナット材でできており、凝ったフォルムからはアールデコの薫りが漂います。開いてみれば黒塗りの本体に金彩で装飾がほどこされ、アールヌーヴォーの雰囲気ももっており、耽美という言葉がふさわしい優雅さです。モデルとしては1910年代頃のもののようで、第一次大戦(1914-1918)前のモデルかと思います。

ベース部分には象嵌細工でスケールも入っており、装飾的かつ実用的な配慮を感じます。ベースに仕込まれた小さな物入も便利だったことでしょう。ボディには銘板が見られ、フリスター&ロスマン社の名前とロンドンの「W. Pierssene」によって販売されていたことが刻まれています。


使い方としては、まず鍵を差し込み、回しながらケースを開きます。折りたたまれていた手回しハンドルはストッパーを外しながら開きます。


ハンドルの開き方、閉じ方は少しコツが必要ですので、動画にてご確認ください。







さて、私事ではありますが、初めてミシンを習ったのは小学生の頃でした。脚踏み式の「ブラザー」のミシンが自宅に在り、そのミシンで母親から使い方を習ったものでした。その後は電動式となり、自分で袋物など縫っていたのは大学生まで。その後はすいぶんと触っておりませんでした。今回このミシンを手に入れた時、ハンドルが稼働するのは確認したのですが、本当に縫えるかどうかはわかりませんでした。


ちょっと、やってみよう・・・。


幸いにも下糸が入っておりましたので、それはそのままとし、古い記憶をたどりながら適当に上糸を通してみました。そっと動かしてみると、なんとか縫うことが出来ました!


参考までによろしければご覧ください。








申し訳ありませんが説明書などはございませんし、私の通し方も適当ですのでこれが正解かどうかはわかりません。もう少しミシンに詳しい方であれば、きちんとお使いになれるのかもしれません。


ただ、少し動かしてみて思ったのですが、右手でハンドルを回しながら左手だけで布のコントロールをするのは、かなり難しく技術と慣れが必要である、ということ。


手で縫うよりは遥かに早く均一に縫えるとは思うのですが、このミシンを使いこなしていた方々がいたかと思うと、本当に頭が下がる思いです・・・。




縫う事がお好きな方へ。

古いマシーンがお好きな方へ。


100年前のドイツから来た耽美なソーイングマシンはいかがでしょう。


いついつまでも動かすことができる電源不要の手回し駆動を体感してみれば、ミシンというものが重ねてきた歳月を実感頂けることと思います。からんからん・・・という音も郷愁を誘い、もちろん美しい姿だけでも十分に堪能していただけることは間違いございません。


ドイツアンティークの貴重なひとしなをお届けいたします。



◆Germany

◆Frister & Rossmann

◆推定製造年代:c.1910年代頃

◆素材:木、金属、他

◆サイズ(ケースを被せた時外寸):幅約49.5cm 奥行き約26.8cm 高さ約32(+取手)cm

◆サイズ(ケースを外した時):高さ約22cm

◆重量:14.4kg

◆在庫数:1点のみ



【NOTE】

*手回しで稼働し、縫うことができます。ただ、どこまで現実的にお使いいただけるのかは判断できかねます。

*説明書はございません。詳細の使用方法につきましては申し訳ございませんがご説明できません。

*古いお品物ですので、一部に小傷や汚れ、材の傷みや表面材の剥げ、金属部の錆びや変色等がみられます。詳細は画像にてご確認ください。

*非常に重いです。ケース上部に取手がありますが、取手だけで持ち上げるのはおやめください。

*取手はケースの着脱用のみとし、持ち運びの際は、下部ベースを持つようにしてください。

*手回しハンドルは収納時には内側に折りたたむ様になっています。使用時にはストッパーを引っ張って開きます。

*ケースはベースに対し2か所でとまっています。一か所は引っ掛け、もう一か所は鍵です。

*鍵を回しながら鍵側のケースを持ち上げます。鍵部分を先に持ち上げ、その後反対側の引っ掛け部分を抜きながらケースを開きます。

*しまう時は先に引っ掛け部分を引っ掛けてから、鍵部分を閉めてください。落とし込めば自動で「カチャ」と施錠されます。

*下糸のボビン及び糸は買い付け当時から入っていたものです。そのままでお届けいたします。

*画像の上糸は付属しません。

*内部に鍵を入れたまま閉めないでください。

*画像の備品は付属しません。

*上記ご了承の上、お求めください。





アイテムのご購入はショップにてどうぞ。

こちらのバナーからご来店いただけます。


Todd Lowrey Antiques

by d+A