英国アンティーク、金属製の箱。
ロンドンより1時間ほど北に向かった、郊外の小さな街。そこで行なわれていた小さなアンティークマーケットで手に入れた箱のご紹介です。
その紳士のストールは、ミニカーや軍のキャップバッジ、古いカタログなどいかにも男性が好みそうな品物で溢れていました。そこで私が気になったのが、キャップバッジが入っていた黒い箱。
「これは売りものですか?」
聞いてみたところ、紳士は快く大胆に中の品物をその辺りにぶちまけ、箱を見せてくれました。
「英国軍のものだね。ブロードアローがついている。第二次大戦前から大戦頃のものだと思う」
「Broad Arrow/ブロードアロー」とは、もともとはヨーロッパにおいて紋章としてつかわれていた「pheon/小槍」などが元といわれており、17世紀末頃から英国の官有物にマークとしてつけられるようになりました。
主として軍用でしたが、他の用途にも使われることがあったようです。植民地時代のアメリカやオーストラリアにおいても同様で、軍や官庁などのサーベイマーカーとしての使用がみられます。英国において、機器や備品関係などにこのブロードアローがついているものがあれば、まずは英国軍のもの、あるいは英国政府の財産であった可能性が高いといえるでしょう。
手に取ってよく見れば、意外にも持ち重りがするしっかりとした箱で、蓋の止め方も見たことがない小粋なものでした。この手の軍関係の箱は何度か扱ったことがありますが、共通点は「箱の丁番がネジでとめるものではない(もしくはネジが隠されている)}こと。
私の想像ですが、ネジの欠落は箱の機能をたちまち落としますし、どこかに行ってしまったネジはとんでもない事故に繋がりかねない・・・そんなことから、軍関係の箱についてはネジが見えないようになっているのかな、と思っています。
この箱も、その推測通りのネジが見えない仕様。一体どうやって作っているのかよくわからないのですが、開閉はスムーズで蓋もある程度開いたところで安定する使いやすさとなっております。
A6サイズ(はがき大)が余裕で入る大きさで、はがきや伝票などを沢山入れておくことが出来そうです。
素っ気ないデザインながらも、使い勝手の良い仕様の箱は、図らずもブロードアローが程よいワンポイントとなっております。
貴方の日々のお仕事に役立てて頂きたい、英国アンティークの実用的なひとしなです。
◆England
◆推定製造年代:c.1930-1940年代頃
◆素材:金属
◆サイズ:幅約23.5cm 奥行約15.2 厚み約5.5cm
◆サイズ(内寸):約22×14.1cm(開口部で計測・内部は数ミリ広いです)深さ約5.2cm
◆重量:578g
◆在庫数:1点のみ
【NOTE】
*古いお品物ですので、一部に小傷や汚れ、錆びや変色、塗装の剥げ等がみられます。
*蓋の開閉はスムーズです。蓋は画像の角度で安定して開いて止まります。
*詳細は画像にてご確認ください。
*画像の備品は付属しません。
*上記ご了承の上、お求めください。
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Todd Lowrey Antiques
by d+A