英国アンティーク、凝った仕様の小抽斗。
英国のアンティークセンターで手に入れた、小さな抽斗。
美しく整った姿をしていて、構造材はマホガニー、表面はローズウッドの化粧貼りという贅沢な造りをしています。天板は周囲が黒塗装のエボナイズド、中央が2枚の化粧板を対称に貼ったブックマッチ、周囲はまた違う杢目を巡らせたパーケットリーとなっています。作られた時代は古く、ヴィクトリアンやや後期、1880年代頃と推測いたします。
そして何よりも興味深いのが、抽斗が前後どちらからも引き出せる、ということ。
一瞬「え!?」と思う方も多いことでしょう。前後どちらも同じデザインで、ひょっとして飾りかな、と思いながら引っ張ってみれば、どちらからも引き出せる・・・!一体なんの目的でこのような造りにしたのか、とても興味深いものがあります。
さて、英国のアンティーク家具で「パートナーズデスク」というものがあります。2つのデスクが向かい合わせでくっついているというもので、二人が向かい合って執務するのにちょうど良いデスクです。でも一体ですので、当然横並びはできません。日本人ならば「2つのデスクにした方が使い回しが効くのに」と思うのではないでしょうか。
このように英国の家具は「その目的の為だけに作られた」家具が色々あります。
ダイニングテーブル、ブレックファーストテーブル、ティーテーブル、ランプテーブル、ドレッシングテーブルにネストテーブル。ドローリーフテーブル、レフェクトリーテーブル、ホールテーブルにライティングテーブル。
「テーブル」と名の付くものだけでざっと挙げてもこのくらいあります。
日本では「ちゃぶ台」だけで済ませてしまいそうですね・・・。
「どこでも使いまわせる最大公約数的な家具をつくる」のではなく、「その目的のために追求した形の家具を作る」という行為が、昔の英国の中産階級以上では行われていたという事かと思います。
少し話がそれましたが、今回ご紹介するドロワーは、先日のパートナーズデスクで使うのに最適かと思います。なかに必要な物を入れておき、二人がどちらからでも使うことができる。なんて素晴らしいんだ!・・・ということなのかもしれません。
もちろん通常の小抽斗として十二分に機能いたしますので、デスクトップの収納にいかがでしょう。どちらからでもアクセスできる特性を活かして、カウンターなどでお使いいただくのも楽しいのではないでしょうか。
贅沢な材で大真面目に作られた、クスリと笑える英国アンティークの逸品。そこには時代背景と国民性が現れているような気がします。是非お手元でご堪能ください。
◆England
◆推定製造年代:c.1880年代
◆素材:木(マホガニー、ローズウッド)、真鍮
◆サイズ:幅約28.6cm 奥行約14.9cm 高さ約14cm
◆抽斗内寸:約21.8×9cm 深さ約6.7cm
◆重量:1168g
◆在庫数:1点のみ
【NOTE】
*古いお品物ですので、一部に小傷や汚れ、材の剥がれや傷み等がみられます。
*それほど目立ちませんが一部モールディングが失われている箇所があります。
*抽斗の内寸は狭い方で約9cmです。小さめの葉書は入りますが、一般的な官製はがき(14.8×10cm)は斜めにしないと入りません。
*詳細は画像にてご確認ください。
*画像の備品は付属しません。
*上記ご了承の上、お求めください。
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Todd Lowrey Antiques
by d+A