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Friday

ディケンズが愛したパブとピクウィック氏 / Antique Brass Door Knocker Mr.PICKWICK

 英国アンティーク、真鍮のドアノッカー。














英国のアンティークフェアで手に入れた、真鍮製のドアノッカー。


上部はチューダー朝の家屋が、下部には椅子の上に立つ男性の姿が表現され、以下の文字が確認できます。


THE LEATHER BOTTLE COBHAM  KENT


DICKENS in PICKWICK

LEATHER BOTTLE



まず、「THE LEATHER BOTTLE/ザ・レザーボトル」とは、イングランドケント州、コブハムに1629年に建てられたパブのこと。


英国の文豪チャールズ・ディケンズ(1812-1870)がお気に入りだったことで知られ、彼の著作「The Pickwick Papers(日本語タイトル:ピクウィッククラブ)」に登場することでも有名です。パブは現在でも営業しておりますので、よろしければオフィシャルサイトを覗いてみてください。

https://www.theleatherbottle.pub/index



また、1836年に発表された「The Pickwick Papers」は日本でも翻訳が発売されています。ちくま文庫・北川悌二訳「ピクウィッククラブ」裏表紙から少し引用させていただきます。


「実業界を引退したゆたかな紳士ピクウィック氏は、素朴な人柄で、人間愛に満ちた人である。彼は行く先々で人を助け、悪をこらしめようと力をつくす。しかし、人がよすぎて、かえって失敗ばかり……。明るく楽しい笑いの底に人間回復の願いを託す、ディケンズ最初の長篇小説。」


喜劇でありながら人情味あふれる小説は、当時大変人気となり、ディケンズの愛読者の一人であったドストエフスキーによる「白痴」に大きな影響を与えたといわれています。



ということで、ドアノッカー下部の男性は、小説の主人公ピクウィック氏です。ぷっくりとしたお腹と印象的な頭髪、眼鏡にクラシカルな衣装できめており、ボトムスのぴっちりとしたタイツが印象的。椅子の上に立っているのは、彼がクラブで演説しているシーンを表しています。


ピクウィッククラブが発表された1837年といえば、ヴィクトリア女王が即位し、大英帝国が繁栄を迎えるヴィクトリア時代の始まりの年。


まだまだ英国は「大英帝国」ではなく、庶民の生活は厳しいものでありました。そんななか、人々がこぞって読み、笑い、希望を見出した「ピクウィッククラブ」。ピクウィック氏はロイヤルドルトンによってフィギュア化されるなど、とても人気のキャラクターとして長く英国で親しまれています。



また、裏面には以下の文字がみられます。


17858

Rd

APPIIED

FOR


(おそらく本当はAPPLIED FOR)


英国の意匠登録であるレジストレーション番号は1884年から始まっており、もしこの「17858」がその番号であるならば、1884年のものとなります。「APPLIED FOR」は申請中、という意味かと思いますが、申請中に番号がとれるかどうかはよくわからないので、ひょっとして他の品番なのかもしれません。


ただ、真鍮の雰囲気からして十分に古いものかと思いますので、推定製造年代はざっくりと19世紀末から20世紀初めとさせていただきました。



ディケンズが愛したパブとピクウィック氏が表現されたドアノッカーは、おそらくコブハムの町のお土産物だったのではないでしょうか。



ディケンズ・ファンの方、英国文学を愛する方に是非。書斎のドアに取り付ければ、触るたびに英国の文豪と心が通い合うような気がするのですが・・・いかがでしょうか。



◆England

◆推定製造年代:c.19世紀末から20世紀初め

◆素材:真鍮

◆サイズ:高さ約9.2cm 幅約6.7cm 厚み約2.3cm

◆重量:123g

◆在庫数:1点のみ



【NOTE】

*古いお品物ですので、一部に小傷や汚れ、錆びや変色がみられます。

*詳細は画像にてご確認ください。

*画像の備品は付属しません。

*上記ご了承の上、お求めください。 





アイテムのご購入はショップにてどうぞ。

こちらのバナーからご来店いただけます。




Todd Lowrey Antiques

by d+A