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Friday

聖ゲオルギオスの名をもつ英国伝統のチェスメン / Antique St. George Style Chessmen with Box

 英国アンティーク、箱入チェスメン。




















イングランド中部で買い付けた、箱入りのチェス駒のご紹介です。


チェスの駒は英語で「chessman」。複数では「chessmen」。今回ご紹介するチェスセットは、公式の試合で使われるスタントンスタイルでなく、セントジョージスタイルのチェスメンです。


ロンドンのセントジョージ・チェスクラブで1840年頃から使われていた駒のデザインであったことから名づけられたセントジョージスタイル。19世紀の英国では多くの英国のメーカーがこのスタイルを制作し、様々なバリエーションが生まれました。ドイツやフランスでも作られていたことがあるようです。ハワード・スタントン(1810-1874)によって、スタントンスタイルの駒が代表的な公式デザインにはなりましたが、英国では現在でもこのタイプの駒が販売されています。


ただ、やはり主流はスタントンスタイル。アンティーク市場でもめっきり見かけることが少なくなったセントジョージスタイルのチェスメンは、久しぶりのご紹介となります。


余談ではありますが、ルイス・キャロルの「鏡の国のアリス/Through the Looking-Glass, and What Alice Found There/1871年初版」では、チェスが物語の主軸となっていますが、テニエルが描いた挿絵では、クィーンはまさしくセントジョージスタイルそのものの、段々になったドレスを着ています。その頃はまだまだセントジョージスタイルが一般的だったのかな、と思います。



前段が長くなりました。ご紹介するチェスメンの箱からよく見てみましょう。


入っている箱は無垢マホガニー材を組み合わせたもの。一般的な直方体の箱ではなく、やや立方体に近いフォルムをしています。つくりは丁寧で、上蓋はスライドする部分が斜めになっており、隙間が目立たない仕様。角部分はほぞ組で、底面だけねじ止めとなっています。塗装の具合がシェラックではない感じなので、ひょっとして仕上げだけ後年誰かが手を入れたのかな、と思います。底面に「No 9FB43」の文字が見られますが、詳細はわかりませんでした。



駒をみてみると、キングの高さが約7.3cmと頃合いの大きさ。ナイトの馬も手彫りでよく出来ており、艶めくボックスウッドが素晴らしい風合いを感じさせる最高級のチェスメンとなっています。木の雰囲気や作りからみて、時代は古く、ヴィクトリア後期と推測いたします。


かつてどんな紳士たちがこのチェスセットで対局してきたのでしょうか。戦争好きの王に戦争をやめさせるために考案されたともいわれる盤上の戦争は、現在でも多くの好戦家の心をとらえてはなしません。


8×8の矩形のなかで、竜を退治した「聖ゲオルギオス=セントジョージ」の名をもつ英国伝統のチェスメンを操り、どこまでも広く深く戦う頭脳ゲームをどうぞご堪能ください。



◆England

◆推定製造年代:c.1870-1890年代頃

◆素材:木(箱/マホガニー、駒/ボックスウッド)

◆箱サイズ:幅約11.5cm 奥行き約10.4cm 高さ約9.8cm

◆チェスの駒:キングの高さ約7.3cm 直径2.2cm ポーンの高さ約3.2cm 直径1.4cm

◆重量:箱入チェスメン481g

◆在庫数:1セットのみ


【NOTE】


*箱入りチェスの駒(32ピース)セットでの販売です。

*古いお品物ですので、一部に小傷や汚れ、細かな欠け等ががみられます。

*画像の備品は付属しません。

*上記ご了承の上、お求めください。




アイテムのご購入はショップにてどうぞ。

こちらのバナーからご来店いただけます。




Todd Lowrey Antiques

by d+A