英国アンティーク、ウォーキングステッキ。
華奢で優雅、それでいて野趣あふれるシャフトをもつ、素晴らしいアンティークのステッキのご紹介です。
目を惹く特徴的な杢目と、ポイントのシルバーの輝き。ごつごつした杢目を持つシャフトの荒々しさをシルバーが品よく纏めており、さぞこだわりを持つ方が愛用していたのではないかと思わされます。
まずはシルバーのホールマークを確認してみましょう。
カラーのホールマークは、左からメーカーズマーク、バーミンガムのアセイオフィスのマーク、次のデイトレターは小文字の「x」。バーミンガムでこの字体の「x」のデイトレターが使われていたのは1897年です。右端はスターリングシルバーの証、ライオンパサントとなっています。
また、クラウン部分(ステッキの持ち手の先端)にも同様のホールマークを確認することができます。ただ、メーカーズマークはつぶれてしまって読むことができませんでした。
シルバーに施されたパターンは唐草文様となっており、どこかアザミを思わせます。ひょっとして持ち主はスコットランドに由来のある人物だったのかもしれません。
そして特徴的なシャフト。
このシャフトは「HOLLY/ホーリー/セイヨウヒイラギ」と思われます。
緑色のトゲトゲの葉に赤い実をもつ、セイヨウヒイラギ。常緑で真冬に赤い実をつけることから、ヨーロッパではキリスト教以前から聖木とされてきました。また、イタリアの古い習慣で農業の神(サトゥルヌス)を祭る際、この葉を用いたとされることから、別名サトゥルヌスの木と呼ばれ、セイヨウヒイラギを飾るのはキリスト教が広まったのちはクリスマスの風習に引き継がれたとされています。
キリスト教では、キリストの足元から初めて生えた植物とされ、トゲトゲの葉や赤い実はキリストの流した血と苦悩を表すとされます。そこから別名「キリストの刺」「聖なる木」とも呼ばれ、幸運や成功、魔除けの象徴とされてきました。セイヨウヒイラギの英名が「HOLLY」であるのも納得です。
ちなみに英国の作家J・K・ローリングによる「ハリー・ポッター」シリーズにおいて、ハリーが持つ杖は「ヒイラギ製で芯は不死鳥の羽根」。主人公に相応しい、良い意味での最強の魔力をもつということなのではないでしょうか。
HOLLY TREEならではの自然な突起をそのまま活かしたシャフトに、スターリングシルバーのカラーとクラウンを施したウォーキングステッキ。全体として細身で華奢ですので、ひょっとしてご婦人用、もしくは小柄な紳士用であったことが推測できます。
幸運や成功、魔除けの意味を持つ聖なる木と、輝く銀との組み合わせを持つ美しき1本。
120年余の時を超えて、ヴィクトリアンのバーミンガムから貴方へお届けいたします。
◆England
◆Birmingham
◆推定製造年代:c.1897年
◆素材:木・スターリングシルバー・他
◆サイズ:長さ約88cm 持ち手幅約10cm
◆重量:103g
◆在庫数:1点のみ
【NOTE】
*古いお品物ですので、一部に小傷や汚れ、歪みや変色等がみられます。詳細は画像にてご確認ください。
*シャフトは細身で体重をかけるとしなります。
*石突部分の金属はオリジナルの部分は既に失われています。滑りどめのゴムキャップを当店にて嵌めこみました。容易に外すことができます。
*画像の備品は付属しません。
*上記ご了承の上、お求めください。
アイテムのご購入はショップにてどうぞ。
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Todd Lowrey Antiques
by d+A