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Friday

背板に謎を秘めた小引き出し/ Antique Small Chest of Drawers

 英国アンティーク、木製小抽斗。




















英国のアンティークマーケットで手に入れた、高さ15cmほどの小さな抽斗。


シンプルながらも天板と前板、側板はオーク材でできており、しっかりとした印象をもっています。


そして珍しいのは背面の部分。旗を掲げた女性像がクラシカルなモノトーンで表現されており、正面のシンプルさとは対極の装飾性に驚きます。



女性像のモチーフには以下の文字が見られます。


FABRICA DE TABAC

これはスペイン語で「タバコ工場(製作所)」のこと。

また、引き出しをすべて出して本体内側を覗けば、背板には以下の文字が見られます。


ASHBURNHAM ARMS
DODSON'S
SPECIALS


このことから、恐らくこの抽斗は、一部を「DODSON'S SPECIALS」の煙草箱のパーツを用いて作られたのではないでしょうか。

煙草箱の材は多くがスパニッシュシダーですので、引き出しの天板や前板、側板はオーク、他の背板や引き出しの底板、側板は煙草箱のスパニッシュシダーで、というふうに使い分けたのかもしれません。そしてデザインが素敵だった蓋の部分はなるべく活かして背板とした・・・といったところなのではないでしょうか。

素人の仕事にしてはよく出来ておりますので、家具職人もしくはそれに準ずる仕事ができる人が、手慰みに作ったのかな、などと推測いたします。


残念ながら煙草の産地や詳細は不明。スペイン語がつかわれていることからキューバ産かな、とも思うのですが、女性が掲げているのは星条旗のようですし「ASHBURNHAM ARMS」は英国っぽい名前です。推測ですが、キューバ産の煙草の葉をアメリカが製品化し、英国で販売した・・・などという流れかもしれません。


推定製造年代はあくまでも引き出し自体の雰囲気から、20世紀初頭と推測いたします。



シンプルな見た目と裏腹な背面の装飾は、渋いスーツの裏地が派手な数寄者のようで、なかなか興味深いのではないかと思います。


小さな抽斗はデスクトップの小物類やアクセサリーの収納に最適。お手元に置いて使いつつ、背板の謎をじっくりと解き明かしてみるのはいかがでしょうか。



◆England
◆推定製造年代:c.1900-1930年代頃
◆素材:木(オーク、スパニッシュシダー)
◆サイズ:幅約15.2cm 厚み約8cm 高さ約15.5cm 
◆引き出し内寸:約9.8×5.1 深さ約2.4cm
◆重量:359g
◆在庫数:1点のみ


【NOTE】
*古いお品物ですので、一部に小傷や汚れ、アタリ、反りや材の離れ等がみられます。
*詳細は画像にてご確認ください。
*画像の備品は付属しません。
*上記ご了承の上、お求めください。 




アイテムのご購入はショップにてどうぞ。
こちらのバナーからご来店いただけます。



Todd Lowrey Antiques
by d+A