英国ヴィンテージ、ハンドインクブロッター。
「ブロッター/ Blotter」ご存じでしょうか。
正式にはハンドインクブロッター。ディップペンや万年筆などで書いた筆跡の上を手で転がして、余分なインクを吸い取るための道具のことです。
歴史は古く、大きくとらえれば「インクで書く」と同時に「書いた後に吸い取る」ツールは存在していました。アフリカでは砂と粘土と太陽が、中世の修道院ではイカの骨から作られた粉が使用されていたといわれています。
そして1800年代初頭には、ハンドインクブロッターが登場しました。木、石、金属、磁器、またはガラスで作られており、小さなハンドル、湾曲したベース、テキストの上で揺すって余分なインクを取り除くことができるフェルトの底を備えていました。1800年代半ばまでに、紙の発達により紙がフェルトに取って代わられることが多くなりました。
そして20世紀半ばのボールペンの登場により、ハンドインクブロッターの市場は急速に縮小することになります。
そんな歴史をもつブロッター。
今回ご紹介するのは、シンプルななかに品格溢れるひとしなです。
基本的には機能以外なにも装飾がないスタイル。上部はフラットで、ネジ式で着脱可能なつまみも握りやすい形をしています。外してみれば、本体は無垢の木でできていることがわかります。紙をテープでとめてあり、テープはだいぶ変色しておりますが、とりあえずこのままのご紹介とさせていただきます。
端部には以下の文字が確認できます。
ARISTOCRAT MADE IN ENGLAND
この「ARISTOCRAT/アリストクラット」は、かつてバーミンガムにあった「Harman Brothers/ハーマン・ブラザーズ」社の商標でした。ハーマン・ブラザーズ社は第一次世界大戦後に設立され、1960年代半ばまで事業を続けました。「アリストクラット」シリーズは主に喫煙やデスク周り関連製品で展開され、シルバー、銀メッキ、クローム仕上げで製造されているものが多かったようです。
今回のブロッターは、特に刻印はございませんが、変色の具合から銀メッキ仕上げと思われます。
ブロッターはデスク周りの嗜好品として好まれたアイテムですので、豪華な装飾が施されたものも多くあります。そんな中でこのブロッターはあくまでもシンプルで、作業をもくもくとサポートする名脇役=バイプレイヤーのように思えます。
貴方のデスクトップに英国からきた寡黙なバイプレイヤーはいかがでしょう。お役に立てる時を、穏やかに、そして静かに待ち続けることでしょう。
◆England
◆推定製造年代:c.1930-1950年代頃
◆素材:銀メッキ(おそらく)、木、紙、他
◆サイズ:全長11.4cm 幅約8.6cm 高さ約3.4cm(+つまみ2.1cm)
◆重量:271g
◆在庫数:1点のみ
【NOTE】
*古いお品物ですので、一部に小傷や汚れ、変色等がみられます。
*詳細は画像にてご確認ください。
*画像の備品は付属しません。
*上記ご了承の上、お求めください。
アイテムのご購入はショップにてどうぞ。
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Todd Lowrey Antiques
by d+A















