英国アンティーク、スターリングシルバーのグリップをもつステッキ。
英国のアンティークフェアで手に入れた、ブラックシャフトにスターリングシルバーのグリップを持つステッキ。
英国のステッキとしては定番のカラーリングで、きりりと黒いシャフトとシルバーの対比が凛々しく、控えめな優雅さに満ちています。
細かな部分をよく見てみましょう。シャフト部分は木製ですが、ほぼ黒といえる色味に塗装されています。わずかに塗装の剥げがや汚れがみられますが全体としては素晴らしいコンディションといえるでしょう。長さは約91cm強と、英国のステッキとしては標準的なサイズであり、持てば重さ273gとやや重めで、しっかりとした印象を持っています。
持ち手部分はシンプルなグリップハンドルで、波のような鱗のような、はたまた中世の鎧の鎖帷子のような文様が施されていることを見ることができます。
さてシルバーのホールマークを確認してみましょう。
まず一番左がメーカーズマーク「J・H」。次の錨はバーミンガムの証。そしてライオンパサント、デイトレターは「Z」。
バーミンガムの「Z」は丸ベースのものが1874年、矩形ベースが1899年、シールドベースで1924年となります。このデイトレターは矩形ベースに見えますが、フォントのデザインが1924年のものに近いため、おそらくシールドの下部が下のラインと重なってしまっているため見えないような気がします。以上のことから、推定製造年代は1924年としてご紹介させていただきます。
バーミンガムでこのフォントの「J・H」といえば、シルバースミスは「Henry Howell & Co Ltd (Jonathan Howell)」であると思われます。
もともと「ハウエルショップ」は「John Howell/ジョン・ハウエル」によって1832年にロンドンの「Aldersgate/アルダースゲート」76番地に設立され、高級な靴下類や杖を含むさまざまなファッションアクセサリーを販売していました。1859年息子の「Henry Howell/ヘンリー・ハウエル」がロンドンのオールド・ストリートで卸売市場向けのステッキを製造販売業を始めます。これが「Henry Howell & Co Ltd」の始まり。事業は急速に成長し、高品質のステッキ製造における世界有数の会社となりました。1867年、ヘンリーの従兄弟「Jonathan Howell/ジョナサン・ハウエル」が事業に参加。1888年、ヘンリーは子供を残さずに亡くなり、全財産をジョナサンに遺贈しました。会社はその後も「Henry Howell & Co Ltd」の名前で繁栄し、1920年の英国産業博覧会 (ロンドン) カタログにも「高級ステッキはじめあらゆる種類の天然ステッキ、ドラムメジャーやチーフの杖など、あらゆる素材のステッキを専門に製造。」と記載されていました。
どの時点、もしくはどの品物において「Jonathan Howell」の名前が使われていたのかは不明ですが、会社名「Henry Howell & Co Ltd」のなかの1ブランドとして「Jonathan Howell」が使われていたのかもしれません。
ミッドヴィクトリアンから続いてきたステッキの名店が生み出した、シックなステッキ。ミニマムな装飾を纏った銀と黒のコンビネーションは、持つ人の品格を如実に語ります。
ジャケットを羽織った日に是非ともお持ちいただきたい、端正な英国アンティークの逸品をお届けいたします。
◆England
◆推定製造年代:c.1924年頃
◆素材:木、シルバー、他
◆サイズ:全長約91.2cm グリップ直径約4cm
◆重量:273g
◆在庫数:1点のみ
【NOTE】
*古いお品物ですので、一部に小傷や汚れ、アタリや歪み、へこみ、変色等がみられます。
*シャフトはがっちりとしており、体重をかけてもあまりしなりません。
*石突部分の金属はしっかりとついておりますが、実際にご使用の際は滑り止めにゴム製のカバー等をつけることをお勧めいたします。
*詳細は画像にてご確認ください。
*画像の備品は付属しません。
*上記ご了承の上、お求めください。
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Todd Lowrey Antiques
by d+A













