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Friday

フリースラントの波と光/ Antique Frisian Chip Carved Wood Tray

 オランダアンティーク、木製トレイ。
















英国のアンティークフェアで手に入れた、小ぶりでスリムは木製トレイ。


郵便物や、一人から二人分のティーセットを置くのにおすすめなサイズ感で、デスクの上で細かなものを取りまとめるのにも丁度よさそうなお品物です。


出色は平らな面に施された巧みな彫刻。この独特の彫刻は「Frisian Chip Carving/フリースラントのチップカーヴィング」と呼ばれるものです。


チップカーヴィングとはナイフまたはノミを使用して平らな表面から小さなチップをひとつひとつ削っていく彫刻スタイルのこと。基本的に平らな面の一部を削ってつくるやり方です。



そして「Frisian」とは「フリースラントの」という意味。「Friesland/フリースラント」・・・あまり聞きなれない言葉だと思います。


まず、フリースラント(州)(もしくはフリースランド、フリスラントとも)とは現在のオランダ北部の州のこと。


歴史としてはローマ帝国が衰退した後、ゲルマン人がオランダに進出しフリースラント王国(650-734年)を建設。後にフランク王国に征服され、その後も様々に主権は変わっていきますが、主にここに住む人々は長くフリース人とよばれ、オランダ、ドイツ、そして北海越しに英国の影響を受けてきました。沿岸部と北海に浮かぶ島々で構成されているため漁業が盛んで、フリスク語という独特の言語と文化をもっています。



そんな地で育まれてきたもののひとつが、「Frisian Chip Carving/フリースラントのチップカーヴィング」。


おそらく木材はドイツからのものでしょう。そして漁にでられないときの内職として、チップカーヴィングは大切な副業として続いてきたのではないでしょうか。


どこかケルトの組み紐文様のようでもあり、ブルターニュのブルトンスタイルのようでもある文様は、海とともに暮らす人々が生み出す波や光の抽象化なのかもしれません。




どこまでも続くフラットな土地、浅い干潟、海との共存。

織りなす光と空気が、きっと日本とはまるで異なる風土で育くまれた民芸品。

それでも何故か心惹かれるのは、日本も海で囲まれた国だからでしょうか。



是非貴方のお手元でお役立ていただきたい、雰囲気溢れるアンティークアイテムです。




Netherlands(Friesland)

◆推定製造年代:c.1900-1930年代頃

◆素材:木、真鍮

◆全体サイズ:幅約34.8cm 奥行約14.2cn 高さ約4.9cm

◆中央の平らな部分:約30.1×11.2cm

◆重量:244g

◆在庫数:1点のみ



【NOTE】

*古いお品物ですので、一部に小傷や汚れ、変色等がみられます。

*濡れたものや熱いものを直接置くと跡がつく可能性があります。布などを敷くことをおすすめいたします。

*画像で参考のために置いたソーサーの直径は14.3cmです。

*詳細は画像にてご確認ください。

*画像の備品は付属しません。

*上記ご了承の上、お求めください。 





アイテムのご購入はショップにてどうぞ。

こちらのバナーからご来店いただけます。




Todd Lowrey Antiques

by d+A