フランスアンティーク、折りたたみ式スケルトン双眼鏡。
少し変わった双眼鏡のご紹介です。
意外と持ち重りのする金属製のフラットなボディ。2個づつ計4個のレンズをを90度立ち上げて覗き込めば、双眼鏡の出来上がりです。実は当店ではこのタイプの双眼鏡を数度ご紹介してまいりましたが、その度にメカニカルな美しさに魅入り、初めて見た時のように胸躍らせながら手にとることを繰り返しております・・・。
さて、ガリレオ・ガリレイ(1564-1642)がイタリアのガラス工芸の技術によりガリレオ式望遠鏡を発明したのは17世紀。その後望遠鏡は発達を遂げますが、一番シンプルなのは対物レンズの凸レンズと接眼レンズの凹レンズの組み合わせを持つガリレオ式です。
つまり、レンズが2つ・・・対物レンズと接眼レンズさえあれば、望遠鏡として成り立つ。ボディ(鏡筒)は不要で、折りたたみ式にすればコンパクトにできるのでは・・・?
恐らくはそんな発想から生まれたと思われるのが、今回ご紹介する双眼鏡。英国では「スケルトン双眼鏡/Skeleton Binoculars」などと呼ばれており、ピントの調整は中心部分をスライドさせれば可能となっています。接眼部のみ黒エナメルを施し全体はニッケルめっきと思われます。
本体中心部には以下の文字が刻まれています。
"MARS"
Btee FR&ETR.
MODELE DEPOSE
これにより、デザイン名は「MARS/マース」=「火星」、この名前でフランスにおいて意匠登録(MODELE DEPOSE)されていることがわかります。「Btee FR&ETR.」について詳細はわかりませんでした。
火星は古代エジプトから観測されていたといわれていますが、望遠鏡で初めて観測したのはガリレオ・ガリレイで、1610年のこととされています。ガリレオ式望遠鏡の仕組みをミニマムにまで削ぎ落したこの双眼鏡に、「火星」の名前をつけたのはガリレオ・ガリレイへのオマージュだったのかもしれません。
たたんだ時のサイズは約10×6.5cmと、郵便はがきの半分くらいの大きさ(郵便はがき10×14.8cm)。厚みは約1.5cm程度ですので、ジャケットのポケットにすっぽり収めることができるのではないでしょうか。
日々の散歩や調査研究のフィールドワークに。
頼りになるツールとして好奇心溢れる紳士たちのポケットに収められていたであろうスケルトン双眼鏡はどんな景色を持ち主の眼に届けてきたのでしょう。
太陽は巡り、夜は星が輝き、四季がゆきすぎる。
ガリレオ・ガリレイが命がけで説いた「それでも地球は動いている」を体感しつつ、歩き出してみるのはいかがでしょうか。
◆France
◆推定製造年代:c.19世後半
◆素材:金属、ガラス
◆使用時サイズ:幅約10cm 奥行き約6-8.1cm 高さ約6.5cm
◆折りたたみ時サイズ:約10×6.5 厚み約1.5cm
◆重量:104g
◆在庫数:1点のみ
【NOTE】
*古いお品物ですので、一部に小傷や汚れ、錆などがみられます。詳細は画像にてご確認ください。
*レンズには若干の汚れやくもり、小傷がございますがヒビや欠けはございません。
*可動はスムーズです。十分実用にお使いいただけると思います。
*画像の備品は付属しません。
*上記ご了承の上、お求めください。
アイテムのご購入はショップにてどうぞ。
こちらのバナーからご来店いただけます。
Todd Lowrey Antiques
by d+A














