英国ヴィンテージ、アダム・バインダーの限定フィギュア。
当店で何度かご紹介している「アダム・バインダー/Adam Binder」氏のフィギュア。
1992年から彫刻家Peter Calvesbert氏をのもと、数人のアーティストが集まって立ち上げられた「Harmony Kingdom/ハーモニー・キングダム」。主に英国とアメリカで販売され、アーティストの個性を生かした独特の造形をもつ小型フィギュアは基本的に限定品で、ある一定数の売り切りであり、クラブ向けやイベント向けの限定品があるなど、コレクターたちの気持ちを掴んだものでした。
その中の一人がアダム・バインダー氏。ハーモニー・キングダム時代に多くの作品を制作しますが、その後2001年に独立し、イングランド・コッツウォルズで自分の工房を立ち上げ、「Adam Binder Editions」として彼独特のこだわりに満ちた作品をつくっていくこととなります。(当初は英国内で製作していた作品を第三国で作ることとなったために独立した。。。という説があります)
今回ご紹介するのは、彼がハーモニー・キングダム時代に手掛けた人気シリーズ「Roly Poly/ローリーポーリー(起き上がりこぶし)」のなかの一点「HOMER/ホーマー」です。
ローリーポーリーシリーズは色々な動物が球体になっており、内部は中空で上部が外れて小さなものなら仕舞っておける小箱のような役割を持つシリーズです。(まれに「ハードボディ」とよばれる販売者向けのソリッドタイプがあります)
素材は大理石の粉と樹脂をまぜた独特のもので、しっとり、ずっしりとした質感とハンドペイントによる自然な色合いが作品の魅力をさらに高めています。
今回ご紹介する「HOMER/ホーマー」はアメリカ、アナハイムとローズモントで開催された国際コレクタブル博覧会のために特別に制作されたもので、本来はネズミのフレッドとセットで販売されていたものです。このホーマーには他の博覧会用の限定品もありますが、内側に「ICE2001」(ICE=International Collectible Expositions) の文字がございますので、国際コレクタブル博覧会用であることがわかります。今回のものはグリーン・アイですが、他の目色のものもあるようです。
また、アダム・バインダーの作品名はストレートなものもありますが、ちょっとした遊び心が込められていることが多くあります。「HOMER」は一般的には野球用語のホームランを指しますが、古代ギリシャの有名な叙事詩人「ホメロス/Homeros(ギリシア語)」「Homer/ホーマー(英語)」を表すこともあります。
今回ご紹介するホーマーは、ネズミとセットで販売されていたことから、明らかに猫ですので「家にいる=HOMER」詩人、ということから名づけられたのではないかな、と推測いたします。(注:家にいる人=HOMER、という英単語は辞書にはありません)
アダム・バインダーは2013年から彼はブロンズ彫刻を主体とする活動をしており、小さな作品はほとんど作らなくなりました。ブロンズ彫刻はとてもとても素晴らしいものですが、それはまさに「芸術」としての存在となっているため、彼独特の造形センスが活かされた小さな作品を多く揃える悦びは、年々難しくなっていくのは間違いありません。
独特の質感と表現を持つアダム・バインダーのフィギュア。しっぽをくるりと体に沿わせ、耳をピンと立ててこちらを覗き込むホーマーの存在感は見る者の心を捉えて離しません。ひょっこりと見える足裏の肉球もポイントです。
掌に乗る蠱惑の球体動物。
是非この機会にコレクションを始めてみてはいかがでしょうか。
◆England
◆推定製造年代:c.2001年
◆素材:石材・樹脂
◆サイズ:高さ約4.7cm
◆重量:39g
◆在庫数:1点のみ
【NOTE】
*少し前のものですが、本体はとてもよいコンディションです。
*ハーモニー・キングダムの箱が付属していますが、ホーマー専用のオリジナルではないかもしれません。
*箱には保管の際についた若干のアタリがみられます。
*画像の備品は付属しません。
*上記ご了承の上、お求めください。
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Todd Lowrey Antiques
by d+A












