ロンドン名誉市民ジョージ・ピーボディを記念した1869年のプレストグラス・プレート。
150年近く前に作られた素朴なプレストグラス・プレートは、イングランドの古い街で手に入れたもの。
調べてみると、思いがけない人物の記念の品だということがわかりました。
プレートの周囲に書かれているのは「George Peabody」。
George Peabody/ジョージ・ピーボディとは、アメリカ合衆国出身の企業家、慈善家で、ピーボディ研究所の開設者のこと。
1795年にマサチューセッツ州サウス・デンバー(現在のマサチューセッツ州ピーボディ)に生まれ、
1814年に生活衣料雑貨の大規模な卸売り事業ピーポディ・リッグス商会を設立。
その後、1837年にロンドンへ移住し、ロンドンの貧しい人たちのために慈善基金を設立するなど積極的に慈善事業に関わり、近代の慈善事業の祖として知られるようになりました。
1862年にはアメリカ人として初めてロンドン市の名誉市民(Freedom of the City)に選出されています。1869年、亡くなった際にはピーボディの銅像がロンドン王立取引所の隣の教会跡地に建てられ、エドワード7世により公表されました。
マサチューセッツ州のピーボディという都市名は、彼の名前にちなんだものです。
また、プレストガラス(プレスモールディング・グラス)はもともとは1820年頃アメリカで開発されたものといわれています。ヨーロッパ、そして英国には1830年代に伝わりました。
大量生産に適したプレストガラスは、時代背景に合わせて発展し、もともとガラス製造が盛んだったイングランド北東部、サンダーランド/Sanderlandなどで多くの製品が作られました。
今回ご紹介するこのCommemorative Plate/コメモレーション・プレート(記念プレート)は、1869年彼が亡くなり、銅像が公表された時の記念品。
ダイヤモンドマーク*が読み取れますので、1869年12月7日に作られたものであることがわかります。
周囲には彼の名前が堂々と記され、散らばった小さな星は星条旗から、中央のハートとクラウンは彼が行った慈善事業を讃える意味合いがあるようです。
彼の有名な格言をひとつご紹介いたします。
Education : a debt due from present to future generations.
教育:現世代から将来の世代へ当然払わるべき負債
未来への投資ともいうべき教育への考え方は、当時はたいそう革新的なものであったことでしょう。
今でもロンドン王立取引所の隣では、ゆったりと腰掛け、遠くを見つめる彼の銅像をみることができます。それは、物思いにふけっているようにも、世界がきちんと彼の意志をついでいるか見張っているようにも見えます。
小さなプレートが伝える、大きな意志と歴史の流れ。
150年近くの時を超えて、今、あなたに語りかけています。
◆England
◆推定製造年代:c.1869年
◆素材:ガラス
◆サイズ:直径約12.7cm 高さ約2cm
◆在庫数:1点のみ
【NOTE】
*古い、古いお品物ですので、一部に小傷、ざらつきなどがみられます。
*エッジにはわずかなチップ、及び裏面には製造時からのものと思われるスジがございます。
*詳細は画像にてご確認ください。
*上記ご了承の上、お求めください。
*ダイヤモンドマーク(トレードマーク)参考サイト(英語版)
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Todd Lowrey Antiques
by d+A