この小さな杯/タストヴァンには、変わった絵柄が施されています。
背中に王冠/クラウンをのせた、ヤマアラシ。
この紋章は15世紀末から16世紀にかけてのフランス王、ルイ12世(在位:1498-1515年)のもの。
ルイ12世(作者不明) |
ちょっと変わっている印象ですが、このような紋章で代表的なものはブロワ城の主とその妃たちの4つの紋章があげられます。
クラウンとオコジョ:ルイ12世の王妃アンヌ・ド・ブルターニュ
クラウンとサラマンダー:フランソワ1世(在位:1515年 - 1547年)
クラウンと白鳥:フランソワ1世の王妃クロード・ドゥ・フランス
また、ブロワ城とはフランスのロワール渓谷にある城。
歴代フランス王の幾人かが住居とし、またジャンヌ・ダルクが1429年、オルレアンから軍を出発させる前に、ランスの大司教から祝福を受けた場所でもあることで有名です。現在でもブロワ城のあちこちにこのヤマアラシの紋章をみることができます。
ブロワ城 暖炉の一部 |
動物とクラウンのシリーズは年代的にルイ12世が始めたようですが、なぜルイ12世はヤマアラシを選んだのでしょうか。
ルイ12世の言葉に「Qui s'y frotte s'y pique」触る者は刺される(君子危うきに近寄らず)というものがあるため、そのことからきているのではないか、ともいわれていますが、正確な由来は不明。
法制の整備や税の軽減によりフランスに経済的繁栄をもたらし、学芸を保護してフランス・ルネサンスを開花させ、民衆の父と称された彼が、なぜヤマアラシを選んだのか、興味はつきません。
さて、今回ご紹介するタストヴァンには、ルイ/Louisのイニシャルである「L」に、クラウンをのせたヤマアラシが寄り添った様が、きれいにレリーフで表現されています。
取っ手は二匹の蛇が絡んだ凝ったもの。
ヘビは知恵の象徴であり、二匹の絡んだヘビはギリシア神話のヘルメスの杖:ケーリュケイオンを思わせます。ケーリュケイオンは二匹の絡んだヘビに羽のついた杖のこと。
眠っている人を目覚めさせ、目覚めている人を眠りにいざなうと言われています。
底面にはロゼッタにクラウンが乗ったマークがあります。
こちらは、「European quality mark」といい、よい品物に刻印されたもの。
他に数字やメーカーズマークのようなものもみられますが、メーカーや製造年など詳細は不明。
恐らく、1950年から1960年代頃にフランスでつくられたものと推測いたします。
ルイ12世の紋章をもって、眠っている人を目覚めさせる・・・。
そんな力が込められたタストヴァンなのかもしれません。
フランス500年の歴史を、あなたの掌で感じてください。
◆France
◆推定製造年代:C.1950-60年代頃
◆素材:ピューター
◆サイズ:口部分直径約7cm(+取っ手約2.5cm) 高さ約2.3cm
◆在庫数:1点のみ
【NOTE】
*古いお品物ですので、一部に小傷や汚れ、錆びや変色などがみられます。詳細は画像にてご確認ください。
*上記ご了承の上、お求めください。
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Todd Lowrey Antiques
by d+A