Search This Blog

Wednesday

ステッキのライセンスはお持ちですか?/ Antique Walking Stick with Sterling Silver Collar

英国アンティーク、スターリングシルバーのカラーを持つ漆黒のステッキ。













英国紳士のシンボル、ステッキ。

古代から中世においては神や王の尊厳や権力の象徴であり、それがやがて剣を持たなくなったジェントリー階級の人々の持ち物となっていきます。


1702年頃にはロンドンにおいてステッキを持つのにライセンスが必要な時代があったとか。
腕より上にあげない、などマナー的なものだったようですが、それくらい多くの紳士が当たり前に持つようであった、ということでしょうか。

ヴィクトリアンからエドワーディアンにかけて発表されたコナン・ドイルのシャーロックホームズの挿絵にも、多くのステッキを持つ紳士が登場しています。お洒落用に、そしてもちろん護身用に。


さて、今回ご紹介するのは、英国エドワーディアン期のステッキ。

漆黒のシャフトにシンプルなやや扁平ノブ型のグリップを掲げております。


シャフト部分は木製ですが、黒く塗装されており、家具の仕上げなどでもよく見られる「エボナイズド」仕上げとなっています。エボニーとは黒檀のことで、黒檀のように仕上げることをエボナイズドとよびます。
遥か東洋からやってきた黒檀の装飾品に驚嘆した、かつての富裕層やキャビネットメーカーが生み出した仕上げのひとつです。エボナイズド仕上げに黄金色のオルモルを合わせたり、セーブルの陶板をはめ込んだりしたキャビネットは、最高級品として英国やフランスの王侯貴族たちに愛されてきました。


丸い球体がついているようなノブ型のグリップは、おそらく水牛の角と思われます。
淡くくすんだ黄味がかった乳白のなかに、複雑に褐色や黒が混じりあい、独特の風合いを醸し出しています。
握ればすべすべした木のような、どこかあたたかみを感じさせる質感です。


カラーには「W A C」の文字がみられます。おそらく持ち主のイニシャルでしょう。
カラーにはホールマークが確認できますが、かなりつぶれていて判別は難しい状態。
おそらくアセイオフィスはロンドン、アルファベットは小文字の「i」もしくは「t」のように見えますので、.1904もしくは1914年なのではないかと推測いたします。


シャフトの材は固めで、体重をかけてもほとんどしならず、しっかりとした印象です。
石突部分には真鍮製のキャップがついており、現在のところしっかりとしております。
ただ実際にご使用になる際は、滑り止めとしてゴムキャップ等をかぶせていただいたほうがよろしいかもしれません。


シンプルながらもどこか王笏のようなフォルムで、高貴な印象を放つ1振り。
矜持と誇りを秘めた品格溢れる英国アンティークの逸品を、どうぞお手元でご鑑賞ください。


◆England
◆London
◆推定製造年代:c.1904もしくは1914年
◆素材:木・角・スターリングシルバー・真鍮
◆サイズ:長さ約93cm グリップ直径約3.8cm
◆重量:241g
◆在庫数:1点のみ


【NOTE】
*古いお品物ですので、一部に小傷や汚れ、アタリや変色がみられます。詳細は画像にてご確認ください。
*画像の備品は付属しません。
*上記ご了承の上、お求めください。




アイテムのご購入はショップにてどうぞ。
こちらのバナーからご来店いただけます。



Todd Lowrey Antiques
by d+A