英国アンティーク、イルカの装飾プレート。
英国北部の競馬場で行われるアンティークフェア。
私たちがそこに行くときは何故だかいつも快晴で、店主もお客もみんな機嫌がよく、とにかく良い思い出ばかりが積み重なる場所。そこでいつも寄る場所のひとつが、古い時計パーツ中心に扱っている壮年のご夫婦のストールです。
ゼンマイや歯車、時計の文字盤に針。山ほどの鍵や剥き出しのメカニックなど、とにかくアナログメカもの好きには堪らないものが山盛り在って、いつのまにか手にはずっしりと重い物をいくつも握りしめている、そんな危ない場所なのです。
様々なパーツの中で、少し異色な凝ったデザインに目がとまり、思わず手に取ってしまいました。
品の良いお爺様の店主は「ああ、それね」という顔をして、「古い。それは古い良い物だ。古い時計の装飾。ドルフィンだよ」と説明してくれました。
ドルフィン/イルカ/海豚。
ギリシア神話においては海神ポセイドンの使いで,逃げ去った海神の愛妻アンフィトリテを探し出した功績で星座になったという伝説をもちます。近隣諸国と貿易を行っていたギリシア人の船乗りたちにとっては、海に出る季節を教えてくれたとうこともあり、ギリシアの国を象徴する生き物でもあります。
ぎょろりとした目をして、体は鱗に覆われ、ヒレはまるで翼のような形。本当のイルカの姿を知っている私たちからすると怖い獣のようにみえますが、昔は海豚はこのような姿で描かれることが多く、イルカ座を表す星座の絵などでもよくみることがあります。現実のイルカ、というよりは、神話に出てくる幻獣、としてのイルカを描いたものと思えばよいのかもしれません。
この真鍮プレートは、そんな幻獣イルカが体をくねらせ、古代ギリシアより生命力の象徴であるアカンサスの唐草文様に身を潜めているもの。
左右対称に置くと中央に円形の空間ができますので、恐らくではありますが、ここに時計の文字盤があったような気がします。
そして、イルカの装飾を持つ時計は、海に関する仕事をもつ人のオーダー品だったのかもしれません。
手にすれば様々な想像が膨らむ、英国アンティーク装飾パーツ。海神ポセイドンの使いを潜ませた美しき装飾を、是非貴方のものとしてください。
◆England
◆推定製造年代:c.19世紀後半
◆素材:真鍮
◆サイズ:幅約7.9-8.1cm 高さ約9.6cm 厚み約0.5cm
◆重量:98(49+49)g
◆在庫数:1セット(2枚で1セットです)のみ
【NOTE】
*古いお品物ですので、一部に小傷や汚れ、錆びや変色がみられます。
*基本的に左右対称ですが、サイズやディテールが僅かに異なります。
*詳細は画像にてご確認ください。
*画像の備品は付属しません。
*上記ご了承の上、お求めください。
アイテムのご購入はショップにてどうぞ。
こちらのバナーからご来店いただけます。
Todd Lowrey Antiques
by d+A