英国アンティーク、ジョージ5世とエドワード皇太子のナイフカバープレート。
英国のアンティークフェアで手に入れた細長いオーヴァルのプレート。
銅が持つ鈍い赤褐色をしており、表面には細かな肖像が施されています。興味を持って、店主の親爺殿に「これは何ですか?」と尋ねれば「それはナイフカバーのプレート。王の戴冠記念の時のね」との答えが返ってきました。
ジョージ5世(1865-1936/在位1910-1936)そしてエドワード皇太子=後のエドワード8世(1894-1972/在位1936年1月から12月)。この二人について少しだけご説明いたしましょう。
ジョージ5世は、ヴィクトリア女王の孫であり故エリザベス2世の祖父であった人物。大英帝国の名をほしいままにしたヴィクトリア朝、そしてそれに続くエドワード朝。その次を担ったジョージ5世の時代は、大英帝国の終焉と第一次世界大戦という歴史の転換期であったといえます。政治に長けており、即位後すぐに「議会法」の成立に貢献したり、第一次世界大戦では自ら戦線に赴き、兵士を激励するなど「良きリーダー」として国民から信頼を得ていたといわれています。
そして彼の跡を継いだ息子は「王冠を賭けた恋」で有名なエドワード8世。美男子であり「世界で一番魅力的な独身男性」とも評された彼は、皇太子時代から離婚歴があり既婚者であるアメリカ人のウォリス・シンプソン夫人と付き合い始めます。ジョージ5世亡き後、王位を継いだ後も付き合いを継続。首相や議会と対立し、ついには戴冠式を行うまえに王位を返上します。英国を去り、既に離婚していたウォリスとフランスで結婚式をあげることとなります。
このナイフカバープレートは、1910年、ジョージ5世戴冠を記念して、そんな王と皇太子を象ったもの、ということになります。
繰り出し式ナイフの柄の両面につけられており、表面が王、裏面が皇太子、という仕様でした。当時複数のナイフメーカーが似たような品物を製作しており、ナイフメーカーの特定はできませんでした。
王は自分亡き後、息子が僅か1年もたたないうちに王位を捨てて英国を去ることになるとは、思ってもみなかったのでしょうか。それとも、ある程度想定していたのでしょうか。それぞれに施された肖像を見比べて、纏ってきた歴史の深さを考えずにはいられません。
既にプレートのみとなっておりますので、ブックマークやご自身の小物へのワンポイントにいかがでしょうか。
王と皇太子、どちらをどう使うかは、貴方の心のままにお任せいたします。
◆England
◆推定製造年代:c.1910年
◆素材:おそらく銅
◆サイズ:直径約15.5cm 高さ約34cm
◆在庫数:1セット(2枚で1セット)のみ
◆2枚の重量:15g
【NOTE】
*古いお品物ですので、一部に小傷や汚れ、エッジの傷み、錆びや変色がみられます。
*詳細は画像にてご確認ください。
*画像の備品は付属しません。
*上記ご了承の上、お求めください。
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Todd Lowrey Antiques
by d+A